恵実子の書評

天才は10歳までにつくられる

백강 문정사랑 2010. 4. 3. 11:14

 

 

「天才は10歳までにつくられる」

      横峯 吉史  ゴルフダイジェスト社


 

 日本で話題の保育園、鹿児島の通山保育園。

 そして、その理事長先生の横峯吉史さん。


 この保育園に通う子供たちの驚異的な能力が

全国的に注目を 浴びています。


  5歳児全員が逆立ち歩き。

  4歳児で絶対音感を獲得。

  卒園までに平均1500冊の本を読破。

  独自の教材で3歳児が静かに自習をする。


 では、いったいどうしたら

このような高い能力を持ちえるのか?

 

 横峯氏は

「自分は30年間子供を見てきた。子供を伸ばすには、子供の

やる気のスイッチさえ入れてやればいい」

 


 この本は2007年に出版されたものですから、

 今回テレビで流れた、やる気のスイッチという言葉では

 表現されていないのですが

 横峯氏の根本教育理論、

そして家庭でできる方法が紹介されています。



ーーー 内容抜粋 ーーー


 忘れてはいけないことは、子供は好奇心の塊であること。


知りたくて知りたくて、覚えたくて覚えたくて、

脳が渇望しているのです。

何かを理解できたら、また新しい好奇心が湧いて、

それを満たしたくなる。

それが満たされたら、

また新たな知りたい覚えたいが生まれる。

学ぶことにこれほどベストな脳環境はありません。

欲しているからどんどん吸収します。

その勢いはとどまることを知りません。


大切なのは親が迷わないこと。

これでいいのか、

このままでいいのかという迷いは

いまから捨ててください。


こどもは甘やかさずに、毎日少しの時間でも継続して

「自主学 習」を繰り返す。

できなかったら叱って、できたら褒める。

一番になれ」と励ます。

余計なことはいわずに子供の自主性に

任せて、ただ見守る。

見守った上で子供の目線で的確なアドバイスを送る。


 これが家庭でできる「ヨコミネ式」のすべてです。

 他に難しいことは一切考えなくてけっこうです。





フジテレビ「エチカの鏡」の横峯氏の放送は、

非常に反響が大きかったそうです。

もういちど横峯式をということで7月の末に

より詳しい内容を取材して放送されました。


 私はそのとき日本にいたので、放送を見てきました。

 もしかしてユーチューブにあがっているかもしれません。


 たとえば子供に本を読ませるにはどんな本からはじめたらいいのか?

のような質問に横峯氏が答えました。


 答えはものすごく単純な絵本からはじめること、でした。


 読めるという喜びと達成感でもって、もっと読みたいという

意欲がわくからだそうです。


 今回の放送のメインテーマは保育園の夏季合宿取材でした。


 泳げない子、水が怖い子を、どうやって水に慣らせるか。


 この横峯氏、子供を川に放り投げるのです。

先生が川の中で

待機して。

 それを何度かやっていると、子供たちは自分が浮くのが

分かるし、もっとやってもっとやってとせがんでくるそうです  


 「この方法がいちばんいい」


 とおっしゃってます。(笑)


 そして、なぜだか川渡りをしたり高いところから、

飛び込ませるのは男の子だけなのです。


 一緒にテレビをみていた韓国人の大学生が

「男女差別だ!」といって怒りました。

 

 女の子たちはその時間、

食堂で夕食のお手伝いをするのです

 

 あとは男の子が飛び込むときに

横で声援をおくったりするだけだったり。


 テレビの中では、そのことに関する説明はありませんが

本の中には書かれてますね、


 基本的に男の子と女の子の子育ては違うと考えてる方です。

 この横峯氏の教育の原点は、薩摩の郷中教育(ごちゅう)

にあるそうです。薩摩の教育方法で育った人材が、幕末の日本

を大きく動かしたことに誇りをもち、この21世紀においても

こうした人間を育てることを目標にしていると語っています。


 この横峯先生、なんとなくふんどしの似合いそうな人です。

きりりとして、媚びてない。

毅然とした態度で歩きます。子供たちにも

 

「俺のあとをついてこい。俺の前は歩くな!」


 と檄をとばしていました。


 番組後半では、水が怖くて、飛び込めない男の子が飛び込め

るまでを追いかけていきます。


 彼は結局、飛び込めるようになり、そのあとは

誰が水が怖いなんていったの?みたいな顔で

ひょうひょうとしているのです。





 驚異的な能力開発を実践している横峯式保育園ですが、

この30年間、いいことだけではなかったと思われます。


 教育には流行がありますから、横峯先生のように

「きびしく育てないとだめだ」

 という教育方法は敬遠された時代があったことでしょう。


 それでも、子供を観察し、子供を研究し、子供にとって一番

いいのはこれだと自分のなかにうまれた確信をもって

 一途に投入してきた教育者の姿がそこにはあります。


 おそらくこの横峯先生も、自分の心の世界に価値をおいて

来た、きっとそれだけを見てきた方なのでしょう。

 実際あってみたら、相当の変わり者ではないかと。


 ここ最近になって、横峯式が一世を風靡している感がありま

すが、おそらくそれさえも、ふふんと鼻で笑って

 今日も子供に檄をとばす横峯先生の姿が見えてきます。


 七田式、公文式、石井式、鈴木式、等、日本には世界に誇る

教育システムが生まれますが、どの方の教育方法をとってみて

も、それは、子供に対する真剣な観察と愛情から生まれています。

 結果として、方法論は変わるかもしれませんが、

 どの教育方法だから失敗だったとか、

間違えたとかそうじゃないと思います。


 ただ、時代が変わり、教育方法も進化していくものですから

、私たちもその都度、学び、アップグレードしていく態度は必要だと思います。


 ご本人もおっしゃってますが、自分は特に目新しい教育をし

ているのではない。

 昔ながらの方法だと。

 ただ、それを自分の目で再構築したのです。

 同じものでも、自分がどういう目でみるかによって

ものごとは変わるということです。


 たとえば、このかた貧乏と子沢山 

これはこどもをとても賢育てるには最高の環境だとおっしゃってます。

 常に競争しないといいものにありつけないから、

いつも頭を使うという好循環が生まれるのですね。

 これって現在の韓国在住の日本人家庭には、どんぴしゃりの環境では?


 横峯式の根幹にある教育原理を深く知るためには、いい本だと思います。

 手にとって読んでみてください。家でできることがたくさん書いてあります。

 


 私たちが、世の中をよくするための一番手みじかで確かな方法は子育てだと思います。

 私の手から世界が始まるのです。(今は全然そうは見えなくても!

 喜んで楽しく子育てしましょう。


 世の中に希望ある子供たちを送り出しましょう。