この問題どう解きますか?
韓国の小学校二年生の算数のテストにでてきた問題です。
「みかんが一箱に10個入っています
50箱だと全部でいくつでしょうか」
というのがあります
私は子供を韓国の小学校におくっています。
日本の教育内容とは少々異なりますし、難易度の違いはありますが
学年が同じなら数学の教育内容はほぼ同じです。
二年生の一学期は掛け算でおわります
以前娘の算数を教えたときにも、
その部分でどう教えたらいいのかと行き詰ったことがあります。
娘はそのうちに掛け算を習うようになって
勝手にクリアしてしまったのですが
これは掛け算を教える前にでてくる問題です。
掛け算という概念なしに、教える効果的な方法はあるでしょうか?
という私の問いにこういうすばらしい答えがやってきました。
ご覧ください 賢い方というのはいるものです。
予想以上の回答をいただきました。
ところで、ご質問の
みかんが一箱に10個入っています
50箱だと全部でいくつでしょうか
ですが、
この問題を掛け算なしでやるのはかなり無茶だとは思いますが、
考え方、教え方ということで僕だったら、
こうするかなというのをお伝えいたします。
まず、10個入りの箱が2つだったら、どう教えるでしょうか?
おそらく、実際にみかんを20個(+α)と箱を用意するか、代わりのものを20個(+α)用意して実際にお子さんに箱に入れさせて考えさせますよね。
で、実際に箱に入れさせてところで、10個入った箱が2つだから、10と10で20と教えると思います。
では、次です。30だったらどうでしょう?
実際に箱に入れさせて上げるとよいのですが、ここらへんでみかんになるとつらいの(笑)で、他のものになると思うのですが、実施にやってみると、10個入りの箱が3つで、10+10+10で30になるねと教えますよね。
ここでポイントは、20のケースと30のケースの相関関係に注目させます。
「箱が2つの場合は20で、3つの場合は30だね。」と説明し、「箱が4つだったら、いくつになると思う?」と質問します。
うまくいくと、すぐ「40」と答えてくれるでしょう。できなかったら、もう一度、20と30の相関関係を実際のみかん(or 代替のもの)をつかって、目と手でわからせてあげてください。この相関関係がわからないと先に進めません。
わかるまで何度もやる必要があります。
やり方は、根気強く、あきさせないために、
みかんをりんごに替えるとかしてくださいね。
ここでの教え方の応用は、入れているものを変えてみる、
10個入りのお菓子とかなにかで10の塊を理解させるしかないと思います。
では、うまく「40」と答えてくれたら、9つの場合は?と聞いてみてください。40をクリアーしているので、90とすぐに答えられると思います。だめなら、また相関関係です。
で、次は10個だったら?です。100とすぐにできたら、ゴールはすぐです。ここからは、10円玉(韓国にあるかわかりませんが・・・)が10こでいくつになる?とみかんからお金に換えてみるとわかりやすくなると思います。。
そして最後の50ですが、10円玉が50個でいくつ?と聞いてください。すぐにはできないと思うので、「10円玉10個の塊=100円」と、これを基準にして今度は考えさせるようにします。
「10円玉が20個だといくらになる?」と聞いて、「200円」と答えてくれたら、「10円玉が50個だといくらになる?」と聞いてみてください。すぐに500円と答えられるはずです。
で、問題はみかん→お金→「みかん」とまた、みかんに考える道具を戻すのですが、この方法は、お金で聞いた質問と同じことをみかんでも聞くだけです。
「10個入りのみかん箱が20個だといくつになる?」と聞いてください。
できなかったら、
「10円玉がみかんの箱だとしらたどうだったっけ?」
と単位(円と箱)をあいまいに確認し、
お子さんが気づかないように、具体的な数から抽象的な数に思考を行き来させます。
このやり方ぐらいしか思いつきませんが、
出題者の意図も、最後に僕が記載した部分、
「具体的な数から抽象的な数に思考を行き来」だと思うので、
出題者の意図通りの教え方で教えてあげるのがよいと思います。
最初は掛け算なしでやらせるなんて、ひどい問題だと思っていたのですが、
書きながら思ったことは、この問題非常に良問だと思えてきました。
なぜなら、「具体から抽象」、そして「数をまとまりとして理解する」
を理解できないとこの問題は解けないので、
このことを教えることは非常に考える力をつけさせるにはいいと思ったからです。
教え方を考え、一気に思うがまま書き上げてしまったので、
文章的におかしく、読みにくいところがあるかもしれませんが、
お許し下さい。
ポイントは、「具体から抽象」「数をまとまりとして理解する」をどう理解させるかということだと思います。
お役に立てれば幸いです。