1.社会階級 朝鮮総督府編「朝鮮の風習」 2011.9.
朝鮮総督府編 「朝鮮の風習」をアップしていきます。
まずは 1.社会階級
朝鮮の社会組織は、明治43年の日韓併合前までは、
両班・中人・常民・賤民の 4階級より成って居りました。
両班とは、文武の大官、もしくは学徳高き学者を出した家筋の正しい一族でありまして
名門、及び官吏となるべき資格やその他の特権を有しておりました。
中人はある限定せられた官職にあったものの一族で門地や教育が
常民よりは低いもの。
常民は農工商を業とするもの。
また賤民は常民の班にも入りえない最下層のもので、白丁・奴婢・僧侶の類が
それなのであります。
尚、又、同一階級のうちでも、職業によって高下があり、
年齢の老若によっても亦差別があったのであります。
そして各階級によって冠婚葬祭はいうまでもなく、衣服、住居乃至は言葉の末に至るまで
やかましい区別があり、厳しい制裁がありました。
例えば、選民の住家は瓦葺にしてはならぬとか
常民は門構えの家を建てたり、履き石に階段をつけてはならぬとか
両班は淡青色のものを常用するが、常民以下は色物の上衣をつけてはならぬとか
いうの類でありますが、かような階級制度は、併合と同時に全く撤廃せられて
いわゆる四民平等となり、漸次に移風改俗の事実をみるようになりましたが、
何分長い間植えつけられていた風習なので、根本的には未だなかなか
脱げきれません。殊に地方に入りますと、已然たるところも少なくありません。
ここで目に付くのは、
この時代、僧侶が賤民階級に入れられているということですね。
高麗時代、僧侶は上層階級だったのですが。
また、一口に李氏朝鮮時代といっても、
なにしろ長いので、その初期・中期・後期では、かなりの違いがあるそうです。
ここに紹介されている姿は、朝鮮時代末期の姿のスケッチであるとご理解ください。