ピョンテと豆の話2011.10.14
韓国小学三年生の読みの教科書に出てくる長文です。
ピョンテと豆の話
二つの鉢植えを使って、
科学の実験をすることになりました。
こっちが「水をあげた鉢植え」
こっちが「水をあげなかった鉢植え」ということで、
一週間ほど経過をみて観察するのです。
ところがこのクラスの男の子、ピョンテは
お婆ちゃんの言っていたことをふと思い出します。
「もの言えないものも、
心を込めて大事に育ててる人の心は分かるもんだよ」
お婆ちゃんが家で豆もやしを大事に育てている姿がピョンテに浮かんできます。
土曜の授業が終わって、教室には誰もいなくなりました。
ユリが先生にいいつけられた用事を片づけに教室に入っていくと
「水をあげない鉢植え」に水をやっているピョンテの姿が目に飛込んで来ました。
「ピョンテ!あんた何やってんの?」
「豆を助けてやってるんだよ、悪いか?」
「『水をあげない鉢植え』って書いてあるじゃない。水あげてどうするのよ!」
「あげなきゃ死んじゃうじゃないか」
「だけど、これ科学の実験なのに」
「おまえ、先生に告げ口すんなよ!」
ピョンテは教室を出ていってしまいました。
月曜日、先生が豆を見て
「どうなってんだあ???」
二つの鉢植えから元気に芽がでていました。
その日、ユリは日記にこう書きました。
「豆の実験は大失敗。
だけど、ピョンテのおかげで、豆は死ななかった。」
先生は、これを読んで、
しばらく考えた後、、、
ピョンテの日記にこう書き込みました。
「ピョンテ、ありがとうな。
先生は、今日とっても大きな愛情のプレゼントをもらったよ。」
この書き込みを読んだピョンテの頭には
ユリの顔が浮かんできました。
ピョンテはユリにこの日記をちらっとみせました。
ユリはわかったという風に、ピョンテに向かってにっこりと笑いかえしました。
という話です。
これを読んで、さらに意見交換が続きます。
カラミ:良くないでしょう。結局、ピョンテのせいで
科学の実験は失敗しちゃったんだから。
ハンギョル:僕はちょっと違う考えだ。ピョンテは
科学の実験より豆の命の方が大事だと思ったんだよ
僕はピョンテの気持ちが理解できるな。
カラミ:だけど、実験の結果を期待して待ってるクラスの他の子達は
どうするのよ。みんなびっくりしたじゃない。
自分の鉢植えでもないくせに。私だったら実験後に水あげるわ。
タスリ:カラミの気持ちも分かるけど、状況が分かったら
他のクラスのみんなもピョンテのやったことを理解すると思うわ。
ピョンテは先生やクラスのみんなに大きな愛を
教えてくれたじゃないの。
チョロク:僕だったら、まず先生に聞いてみるな。そしたら、その方が
クラスのみんなも生命は大事なんだってことに気づくと思うな。
ということです。
さて、あなたはどうおもいますか?