えみこ書評(2010年以降)
困ってる人2012.2
백강 문정사랑
2013. 9. 16. 11:03
- 帰省中に読んだ本のなかで
- 一番印象に残ったのがこれ!
- 困ってるひと/大野 更紗
- ¥1,470
- Amazon.co.jp
著者の大野さんは20代後半の女性です。
大学院でビルマ難民の研究をしていた知的な彼女が
いきなり 「難病」にかかってしまいます。
今まで、「難民」を研究していたのに
ご自分がほぼ「難民状態」に陥ってしまいます。
私は、 こんな世界が本当にあるのか!! とビックリしました。
まずご本人の病気が、本当に重いので
そのことに関する描写だけでも気が遠くなります。
例えば、検査のために麻酔なしで、筋肉を切り取られたり!!しています。
そして相当に知的レベルが高いであろう彼女のような人にとっても
病気の 『難病指定」を受けるための手続きが非常に困難で複雑だそうです。
書類ひとつをみても、『一体これはなんのことなんだ?」という
分かりにくさ。
医療スタッフとの心の葛藤。
それまで親密だった友人との関係の変化。
これから、自分はどうやって生きていったらいいんだろう。
という彼女の心のうちが 切々と、
ユーモアにくるみながら
描かれています。
「難病に陥った患者の心境の変化」
であり、
「現在の医療システムへの提言」
であり、
「心底困ったときに、ひとはどうやって生きていったらいいのだろうか?」
という一つの提言です。
こういう状況が文章化されるということが
本当に驚きです。 この状況でどうやってそれを字に落としていけるのか。
私には衝撃の本でした。