韓国で芸術系の勉強をさせると?(1)2012.3
韓国で「美術」や「音楽」などの
いわゆる「芸術系」の方面に子供たちを
進ませるという話をすると
すぐに 「お金の話」がついて回ります。
「こどもが芸術のほうに興味があるみたいで」なんて言うと
(うちは全然そうじゃありませんが)
「お金がかかりますねえ」との答えが
相手さんから返ってくるのが常なので、
芸術系の勉強をした人=お嬢様、おうちはお金持ち
という風にも韓国では見られます。
(そうではない人もいるにはいるのですよ)
ちなみに大学で芸術系を専攻しようとすると
登録金だけで、普通の文科系の二倍以上になります。
しかもそれだけでは終わりません。
しかしその「芸術系の大学」に
入るまでがもっと大変!
それも「名のある芸術系大学」に入ろうとすると
そこまでの道のりからして
とんでもなく大変なんです。
よく韓国で「億の金がかかった子」とかいいますが
物価上昇の激しい最近では「億」では無理なのかも、、、
といううわさもあります。
しかし私は、自分の子がピアノひとつ習ってなくて
せいぜい楽譜が読めるくらいというお寒い程度なので
実際韓国で「芸術系」の勉強を子供にさせるということの
実態はよく分からなかったのです。
たまたま今回のソウル行きで
まきさんと待ち合わせた「教保文庫」に
ゆうこさんも来ることができたので
聞こうと思ったわけでもないのですが
結局聞いてしまいました。
「実際いくらかかるんですか?」を。
ですから今回はブログメンバーの
「ゆうこさん」からの情報です。
ゆうこさんのお嬢さんは現在高校生で
「舞踊」を専攻しています。
小さい頃からソウルで舞踊を
専門に学べる環境の学校で学んできました。
そのまま、舞踊を専門で学べる中学に上がり
このまま同じ芸術系高校にもちあがりで進学するか
どうかということで検討し
結局公立で舞踊が学べる高校に入ったので
今まで払っていた
私立中学への授業料の負担は
なくなったそうです。
まずこの私立中学校の学校へ払う授業料が
三ヶ月で110万ウォンくらいだったそうで
(現在100万w→7万円から8万円ですが、円高を考慮してください)
もし高校だったら
多分120万ウォンから150万ウォンくらいだっただろうと
裕子さんは言います。
現在娘さんは学校の寄宿舎(寮ですね)にいるのですが
しかし!授業料がなくなったとはいえ
お金がかかるものは
まだいーっぱいあるそうです。
たとえば、舞踊といっても
いろんな種類の舞踊があります。
バレエに現代舞踊に、韓国舞踊にと、
もしそれが自分の専門の舞踊でなかったとしても
一通りはマスターしないといけないそうで
そうなると学校の正規授業が終わった後
レッスンを受けることになりますが
ここからまずレッスン代が発生します。
これも個人で受ける場合と数人のグループで受ける場合では
金額がちがうそうです。
ちなみに現在ゆうこさんのお嬢さんが先生に払っている金額が
(いやゆうこさんが払ってるんですね 結局)
バレエで16万w (たしか群舞だから安くついてるといってたような)
現代舞踊も16万w
韓国舞踊で35万w (これは生徒二人での指導だったと思います)
個人だと50万wだったそうです。
そして舞踊だけではなくて
勉強の方も課外活動は有料ですから
二科目くらいとって8万wが二つで16万w
これが5週間基準の値段ですので
一学期のうちにこの金額を二回払うことになりますね。
そして多分夏休みなども別口レッスン費が発生しそうです。
そしてコンクールにでるとなると
今度は「衣装費」という費用が発生します。
これがゆうこさんに言わせると
「そうねえ 250万wくらいかなあ」 と
こともなげにいうのです。
横にいたまきさんが
「バレエやらしてるオンマが子供が主役をやるとなると
衣装費がそれくらいだって言ってたけど
それって主役の衣装費?」と
聞いてましたが、この辺ちょっとはっきりしませんでした。
とにかくゆうこさんは、こどもさんが舞踊をやっている限り
かなり前からずーとこういう費用が発生してきたので
もうあまり動じなくなっているように見えました。
250万wの衣装って言ったらですねえ 、(約20万円)
衣装ですよ、衣装!
毎日職場に来ていける服では絶対無いわけで
一度しか着ないことも十分ありうる衣装!
しかもそれ着てコンクールで
いい成績を収めればいいけど
落ちちゃうことだってあるわけで
それでも250万w、、、 衣装だけで。
こんな話親の立場で聞いたら、(つまり出資者の立場で聞いたら)
私なんかは
「失礼しました!
入ってくるところ間違えました!」って
さっさと退場してしまいそうです。
うちの子が
「芸術系に行きたい!」とか言い出したら
「おだまりっ!」
って感じで
「あんたに才能なんかないわっ、 錯覚よ錯覚!」と。
子供の才能の芽を踏み潰しにかかりそうです。
だってお金かかりすぎますよーこれは。
親が普通のサラリーマンでは無理です。
まださらにあります。
以上のことは序の口であって
大学進学にあたり、先生様に
創作の 「作品」を作っていただかなくてはなりません。
以前ゆうこさんに会ったときにも
「作品代が、、、」ということを口にしていたのを覚えています。
この「先生に作っていただいた作品」で
大学の実技試験に挑むのが常だそうです。
「作品って自分で作っちゃだめなの?」と聞くと
うーん、そういう風にして審査する学校もあるんだけど。
その学校は『実力者が入学する」ことには
定評があるんだけど、大学として認可がおりてないから、、、
という問題があるそうです。
その「作品」のお値段の相場は?とゆうこさんに聞くと
これもピンきりなのでしょうが、
10万wや20万wではないのは確かです。
あの声のトーンからすると。 一桁ちがい?いやもしかして二桁?
更に話は続きます
なんにしてもそうですが、そこまで一生懸命
時間も費やしお金もかけて練習すれば
どの子ももともと能力のあった子達ですから
同じようなレベルでそこそこにうまくはなるそうです。
そうすると、今度は「見た目」で差をつけなければ!と
いう話になり、ある生徒さんは
指導の先生に「整形」を言い渡されたそうです。
ゆうこさんのおじょうさんは、もとが良いようで
ノーチェックだったそうです。
二人ほど、「目」と「鼻」をいじったそうです。
これはコンクール用だったそうで
そうするとコンクールの「衣装費」に加えて
コンクールのたびに「整形費」がいるんかい!?
とびっくりしますが、
ゆうこさんはそこまで言っていませんのでご了承を。
そこまでして「コンクールに勝ちたい!」
気持ちの表れだと見ましょう!
ああ、そうだ「コンクールの作品指導代」も当然かかりますね。
あと、韓国の学校では、一応公にしてはいけないけど
子供のおやつ代にしたり
先生になにか食べてもらったりする差し入れ代にしたり
というお金を父母の有志で集めることがあります。
ゆうこさんの子供さんの学校でも
当然集めたようですが、
私の知ってるその手のお金の金額と
一桁違うのですよ!
最初から金銭感覚が違うのでは?
ということでびっくりびっくりびっくり話なのですが
私が出かけないといけないので、いったんここで切って
つぎは、なぜこういう教育をさせているのか?
ここまでの教育をする意味ってなんなのか?
についてゆうこさんに聞いた話とあわせて紹介します。