正しいエリートのプライド2012.9.25
私は先日ソウルに行った折に
長年お世話になっている韓医院の院長先生のところに
顔をだしました。
30分くらいしか寄れないのは分かっているのですが
それでも素通りするのは私が心苦しく
かといって長居はできないので
「夕食いっしょに!」の信じられないほど強いオファー!!
を断り、ほんとに顔だけ見せて失礼しました。
この強いオファーがどれだけ強いかというと
「夕食の約束が先に入ってるんです!」
「断ってしまえ!、今日はうちで食べて寝て
そっちは明日の午前にしたらいいじゃないか!」
「その人、土曜の朝仕事があるんですよ!」
「休んでもらえ!」
「ダメですってば!!」
のレベルで、強く引っ張ってくれるんです。
ここで ずるずる負けては、
「行くんじゃなかった、、、」になってしまう。
私もつよーい意思と主体性を前面に出して
強く言う!
「私は先生のお顔を一目でもみたくて
短い時間の失礼を承知で手ぶらで伺いました。
私がさっさと行ってしまうと、
先生たちがさびしく思うのも
十分分かってるんですけど、、
それでも、会いたい気持ちが先に立って、
もう体が飛んできちゃったんです!
私が先生と食事することを辞めてでも
やることがあるといったら、それはとても大事な事だって
わかってくださるでしょう!」
ということで、夕食をお断りするだけで
本当に本当に大変だった、、、、
これくらいは覚悟の上だったけど。
長い付き合いだけど
いつあっても、この先生の話は実に面白い。
この日はこんな話をしてくれた。
「自分の大学に行った時代ってのは
大学にいける人間は1500人に一人くらいだった。
先生、韓国の昔の貧乏のレベルってすごいんですよ。
だから自分が大学に行ったとき思ったんですよ。
自分は1500人を食わしてやれるような
人間にならないと
いけないんだって。」
これです。
正しいエリートのプライドというのは!
私はもう涙が出そうでしたよ。
韓国の階級社会とか
男尊女卑とかは
歴史的にいろーんな弊害を生んできましたけど
上に立つ人に
多大な権限を与える理由というのは
「学んだ人」の人格を信頼し
その人が「正しく大衆を導いていくだろう!」という信頼が
前提としてあってのことのはずなんです。
今のように誰もが大学に行く時代には
そんなこと韓国人でも
思いもしないかもしれないけど
昔はこれははっきりあった感覚のはずだし
おそらく日本のエリートにも
その気概は合ったはずなのです。
こんなところにその名残が、、、よよよ。
この先生は私が自分の子供たちに
いろいろあれこれ学ばせていると
「全部辞めさせなさい!
どうせ人は自分のやりたいことにしか本気が出せないんだから!」
とか、すごいことをいう人でした。
ちょっと!今の韓国で英語もさせないって、、、
しかし、実際ほんとにそういう風に教育した
先生の子供さんたちは
大学受験の時はには
「行く大学がない、、、」レベルの成績だったそうです。
しかしとりあえず入った大学で
自分の興味のある分野で才能を発揮し
勉強を続け、
4人の子供が、博士号を取得し(博士課程にいる人も)
現在もバリバリと第一線で活躍しています。
私はこの先生の息子さんが日本に留学した先の
教授とやり取りしていたことがあるのですが
その先生の言うことには
「●●くんというのはねえ、ホントに韓国の御家庭の良い影響が
感じられるんですよ。私はアジアの留学生をたくさん研究員として
見てきたんですけど、どこの人でもそうだというわけではなく
韓国人も今までいたんですけど、彼みたいなのは
いなかったですね。 とても家庭でいい教育を受けて来た人だと
思います」
とおっしゃってこの先生の息子さんを褒めていました。
そーでしょ そーでしょ
ちゃんとした韓国人のパワーというのはすごいのです。
頼むから、一部の人たちが
あれこれ言ってるのを
それも言葉尻りだけを捉えて
あーだこーだいうのはやめようよ! と思うのです。