えみこ書評(2010年以降)

村上春樹、河合隼雄に会いに行く2012.10.29

백강 문정사랑 2013. 10. 1. 13:18

昨日、この本を読み返していました。


 そうとう以前に書かれた本ですので


 オウム真理教や、阪神大震災の話が


  たくさんでてきています。



  私が持ってるのは初版本


  でもコレクションとしての価値は多分ないでしょう。


  もうボロボロです。




  この対談は村上春樹氏が


  「ねじまき鳥クロニクル」の三巻を書き上げて


  間もない頃に行われたようです。

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   ねじまき鳥クロニクルのテーマの一つが


   他者とのコミットメントなのですが(だとおもいます)


   とくに「夫婦」の問題を


   大きくとりあげた小説でした。



 

  そのことに関して 


  河合氏なんかは


  「われわれは苦しむために結婚するんだ」

   

  とまで断言し、



   村上氏は結婚に関してこの時、こういう話をしています。


  


  僕自身は結婚してから長い間


  結婚生活というのは、お互いの欠落を埋めあうための


  ものじゃないかというふうにぼんやりと考えていました。


  でも最近になって、、、、、、中略


  それはむしろお互いの欠落を暴き立てる


   -声高か無言かの違いはあるにせよー


  過程の連続に過ぎなかったではないかと。


  結局のところ、自分の欠落を埋めるところができるのは


  自分自身でしかないわけです。


  他人がやってくれるものではない。


  そして欠落を埋めるには、


  その欠落の場所と大きさを


  自分できっちりと認識するしかない。


  結婚生活というのは煎じ詰めていけば


  そのような冷酷な相互マッピングの作業に過ぎなかったのでは


  あるまいか。



  というお話がありました。



  私がこの本を手にしたのは


  まだ夫と暮らしはじめる前だったのですが


  このごろ、ここに書いてあることの意味が


  よーくよーくわかるようになったのでした。