夫に内緒のはなし2012.10.6
韓国の田舎
郡の郊外地域、行政単位では
面と呼ばれる地域に行こうと
ある日の朝、バスを待っていました。
そこに行くには
一日にこれだけしかバスがありません。
午前9時台に一本ありましたので
おとなしく9時40分のバスを待っていました。
人から
「あそこに行くには一時間に一本しかバスがないよ」
とは聞いていました。
我が家の車は
夫が講義に行くため
使用中です。
田舎の交通は車がないとホントに不便。
ソウルで住んでいたときは
バスも地下鉄もほとんど真夜中まで
運行してて、午後9時前なんて
まだまだ宵の口だったのに
ここは晩の8時には
ほとんどすべての交通が止まります、、、最初びっくりしました。
まだこないなあ、、、、
ふと、デジカメで自分の手を撮ってみる。
マニキュアもなにもない
すっぴんの爪と節の太い指
小指にある金のリングは
実は健康のためにはめているのであって
洒落ッ気からは程遠い手である。
この爪とは大違い
さて、、9時40分過ぎたけど
こないなあ、、、バス。
他の運転手さんに聞いてみたけど
「こないはずないんだけどなあ~??」
去年私もこのターミナルから出る
路線バスに乗って仕事に行ってたから
かなり時間厳守で動いてるのは知ってる。
田舎のバスだといっても、
最近はだいぶ良くなってる。
こないものは仕方ない。
さっさとタクシーで向かった。
取材を済ませた帰り道。
そこのバス時間表は
もっとすごかった! 二時間に一本!!
しかもこんなときに限って
時間厳守で動いたバスが
10分前に出てしまったようだ。
じゃあ、タクシーでも、とアタリを見回すと
見渡す限りの田んぼ。
人も車もいない、、、、どこに行けばタクシーが通るかなあ。
どうするべ?? とりあえず動くか、、と思った時
小型の乗用車が私のそばに横付けした。
「乗ってくかい?」
私は何の考えもなしに
地獄に仏!と思い
「はい!ありがとうございます!」と乗り込ませてもらった。
ドライバーは
郡の中心部の病院に行くところだという
60代のくらいの男性だった。
乗りこんで出発したあとで
「ああ、知らない人の車に乗ったらいけないんだった」
と思い出した。
(私の常識なんてそんなもんです)
もうすでに乗っちゃったので
「降ろしてください」も失礼でいえない。
イヤなら乗るなよ 軽々しく!馬鹿だ、、、、。
以前、このくらいの田舎に住んでいる
若いベトナム人女性が
『町にいくときはバスだけど
通りがかりの車に乗せていってもらうこともあります」
といったとき
「そんな危ないことしてどーすんの!」と
私が注意してたよなあ。
自分もやってるくせに。
でもそのベトナム人の彼女はこういって笑った。
「乗せてもらっていいか悪いかくらい
その人の目をみれば分かります」
彼女の自信のある「分かります!」が
とても印象に残って
いつまでも覚えていた。
さて、私もそんなかっこいいこと言ってみたいが
正直 「よーわからん!!」が本音だったりする。
さて、親切な運転手さんは
わざわざ目的地の病院を通り越して
私の家の近所まで送ってくれた。
幸いにバックの中に
冷たいジュースが一本入っていたので
ありがとうございますの言葉と一緒に
車におかせてもらった。
「 いいよ、そんなの どうせ通り道なんだから」
といいながら、その人の車は方向転換して走り去っていった。
夫をつかまえては
「こんなこともあったし、
あんなことがあったんだよ!」
と毎日外であったことを話す私だけど
このことは、なんか怒られそうで
内緒にしているのである、、、、、