こんなこと、あんなこと

「脱北者」関連後記2013.2.18

백강 문정사랑 2013. 10. 4. 16:23

さて、「多くの可能性を秘めた~』の文章は


  新聞に載せるために、


  かなりはしょって書いたのですが


  ああいう結論に至るまでに


   彼女たちと話し合いながら、


   「感情」の応酬を感じながら

 


  (といっても、正直、私もあれが最終結論なのか、、といわれたら


   ちょっと困ります。だってそんなによく知りませんもの

  

   脱北者の方々のこと。一回の参加で一晩話聞いただけですし。


   だから文章に落とすには、まだ無理があるかなと思いました。


  しかし形にしておくと、


  あとでの思考の助けになるからと何とかまとめてみました



 


  それは何なのかというと、、、、




  その話し合いに参加していた脱北女性の中で


  「自分は韓国に来て

  すごく良かった!」と


   さわやかに軽く語った方が一人だけいまして、、


  韓国の「あれが気に入らない!」を熱く語っている女性たちと


  彼女は最初から、なんだか雰囲気が違いました。




  「最初生活するための補助金ももらったし、


   すごく助けられた。韓国ってありがたい。」


 

  それだけ。


 あと、韓国のどこが悪いとか、


  あれがどうだとかぜーんぜん言わない。


 それが逆に印象的でした。



 とにかく、なんでこの人だけほかの脱北者と


 「言うことが違うのか?」ということが


  気になりつつも、それはそれとして話を聞いていました。


  そうですね。仮にスンジャさんとしておきましょう。彼女の名前を。



  


  一泊二日のミーティングだったので

 

  夕食後もテーブルのまわりで、


  ああだ、こうだの話が続きました。



  私はかねてから気になっていたこと。


  『北は、人は男女平等ということになっているのだから


  北では、男性も家事を手伝うのか?」


  ということを、そこに居合わせた女性たちに聞きました。



  これが、ですね。、

 

 「うちの父親や兄さんはすごく手伝った』という家庭と


 「一切何もしない!男は台所にも入ってこない!」


  という家庭があり、(聞いた相手は4人くらいだったはず)


  だいぶ、家庭差個人差があるようでした。



  「じゃあ、ご飯はお父さんが箸をつけてから食べるとか


  お父さんが外出するときは、全員で玄関まででて見送るとか


   これって分断前の朝鮮人が


   普通に身につけてたはずの朝鮮の風習なんですけど


  それってどうなってるんですか?」



   と聞いてみた。



 これまた、みんな違う、、、


  「そういうのってぜんぜん無い。」と答えた人もいれば


  社会主義国家でありながら


  朝鮮時代の風習を家庭の中でやや残している家庭もあった。



  「家の中で、隠れて祭祀している家とか?ないんですか?」


  それはみんな「聞いたこと無い」



   そうか!隠れてまで、祭祀ごとする人がでるほど、


  やっぱり祭祀は愛されてないんだ!


  もうやらなくていいってなったらやらないよねえ。特に女性は!!






  ところが、家庭の祭祀ごとはないものも


  あれはあるんだそうだ!


  ムダン!韓国の巫女さんである。


  占い師というか御祓い師というか


  神がかりになって庶民の悩みに答えてくれる


  韓国でも裏通りにたくさんあるムダンの家!


  これが北朝鮮にも実はあるんだそうだ!!



  脱北するべきか、せざるべきかをムダンの家に


  おうががいを立てて、最終決定の決め手にしたという女性もいた。



  「一応、そういうものは、無いことになってるんですけど、、、


  それでも実はあるというか、、、まあ、あるんです。」


  

  北って、どこにも隙間のない国なのか、、と思ってたら


  やはり人間である。隙間はどこにでも出来るようになるらしい。


  だってムダンにお伺いを立てるということは


  見えない世界のお話ですからね、、それってあちらのくにでは


   許されてないことのはず。



  当然そのムダンの方たちも、


  表立って堂々とやってるわけではなく


  別に仕事をもっているそうです。



  そして、ある女性が、こんなことを言い始めた。


  「学生時代のことなんですけど、学校で


   友人を「批判」しないといけない科目があるんですね。


   義務なんです。 


   だから友人と、「今回は私がやるから、次は


   あんた私をやったらいい』、


   みたいな事前の打ち合わせもあったりするんですけど


  あと、不良の子をターゲットにしたり(北の不良ってどんなの??)


   もう私それが、嫌で嫌で、、」と。


  

  「あの~??それってたとえば、家庭で


   おかーさんに


   『もーいや! あの授業やだ!」とか


   言ってですねえ。、暴れたりできないのですか?


   学校行かないとかもやっぱり無理ですか?」



   「うちの母と姉はそれはまじめな主体思想の信奉者で、、


    そんなこと家でいえませんで。」



   「はあ、それでは仲のいいお友達と


    『あの授業ムカつく!』やりたくねー!!


    みたいなワルクチを言い合って


    すっきりするというようなことは?」


 

   「私には出来ませんでした、、、、、」



   と言ってるときに



   「私は友達とそういうこと

  やってたけど?」

    

    と軽ーく言いはなったのが


   前述のスンジャさんでした!!




   「夫婦でも心の底をさらして話をすることが憚られる


   なぜなら離婚すれば他人だから


 

   元の配偶者に党への批判を密告される恐れがあるから、、」




   なんて話まででたのに。


   親にもいえない、


   友達にもいえないはずの体制への批判を


   気楽にやっていたのが

 

   「あ~韓国っていい国!」と明るく言い放った


   スンジャさんなのでした!!(笑)



  これだよ!これ!


  「心の教育」とか『自由な発言」とかが

  

  締め付けられてるはずの社会なのに


  やる人は軽くやってた!というこの事実!!



   スンジャさん偉いよ!!


  こういう風にあの!北朝鮮であっても、


   心の中の『ケッ!やってらんねーよ」を


   友達とあまり気にせず憂さ晴らししていたスンジャさんは


   このとおり、韓国に脱北してきても


   かるーく生きているのでした!!(大笑!!)




   スンジャさんはきれいな人でした。


   スンジャさんが


   「私は華やかなもの(経歴)が無いから、、、」というと


   ある韓国人参加者が


   「顔が華やかよ!」と。


   確かに。



   でも私がみるにスンジャさんの目って


   「お直し」が入ってる目だと思った。

    (韓国ではもうお直しのうちにもはいらない二重手術!)


   韓国が「きれいな人に優しい社会」だということを


   入国後さっさと察知して、


   さっさと『お直し」したんだとしたら


   このスンジャさんという女性侮れないだろう!!

 

         (以上はすべて私の推論ですが)



   スンジャさんってのは、「心が軽い」という意味で


   ちょっと特別なのですが


  それでも、ほかの方たちが、


  寝る前になって何気なく口にする言葉に


  いきなり眠気が飛ぶ。


  「えっ??ほんまか?」



  彼女たち、脱北するとき


  日常には絶対ありえないような経験を


   超えてきてるので(死ぬか生きるか)


  ふつーに聞いたらびっくりするようなことをぽろりと言う。


  会ってすぐには言わないだろうけど。


  週刊誌のネタ位にはなりそうなことを。


  

   


  だから、私がこの人たち見てて結論付けたのは


   「そこんじょそこらの韓国人女性より


     ずっと優秀だ!」 なのです。



  

 韓国語だってですね。読み書きには不便が無いのです。


 (語彙の違いはありますが、


  私から見れば、ちょっと努力すれば修正可能なレベル)



 ある女性が


  「結婚登記が」といったら


  先輩脱北者に


  「それ結婚申告っていうのよ。こっちでは」

 

  と言い直されてましたが、そういう違いはあります。




 もうちょっと『戦略的」に「韓国定住」を図ったら


  この人たち、それほど苦労しないのではないだろうか??と


  思ったんですよね。



 外国人の「韓国定住」もそうなんですけど


  「韓国に対する心理的抵抗」があると


  韓国のものを受け入れたくなくなってしまうのですよね。


  

 


  『韓国に嫌悪感が無い人」


  『韓国に好感を抱いている人」の定住は早いし


  うまくいくようです。



  だからまあ、


  『補助金が足りないから」とか


  「国民への喚起が足り無いから」


  とか政策の問題点をつつくのも必要として、それでも


  「脱北者のこころを軽くするお手伝い」


  これをやっていくことができれば、


  彼女たちの自立を促進するのではないかと


  私なんかは思うわけです。




  そうなれば、


  脱北者の中から「自立する人」がでてくるでしょうし


  その脱北者自身が、


  後輩の脱北者のサポートをするのが


  一番いいと思うのですよね。


  なんたって同じ経験してるわけで、


  理解できるったら一番理解できるわけで。



 いつまでも

 

 「原因探し」と『悪者探し』をしていると


  結構徒労で、


 そっちに目を向けて、うまくいかないと


  「悪いのは別の○○だったー!」って


  話になりますし。




   この「ソウルの教育ママ」なんかも


   自分たち日本人が、韓国に嫁に来て


  『ママとしてこけたり」「間違ったり」『知らなくってしくじったり」


  そういう苦い経験があったからこそ


  このネット時代、近所に住んでなかったとしても


   誰かの助けになるよね!


  少なくともこれから韓国で子育てする若いママの


   という主旨で


  始まったものです。(そのわりに、、、最近教育情報少くて、


    えみこのヨタ話ばかりですみませんが!)



 




 

   まあ、うちで書いてることは


 

  教育の意味をひろーくとってくださる賢明な方なら


 

  「すべてこれ教育!」とご理解くださると、勝手に信じております!




 

  という感じで、私はスンジャさんをはじめとする


 

  「強力脱北者女性』を見て


 

  正直、「そんなに心配されるような人たちじゃない」と

  

  思いました。



 

  主催者の話によると、今回のメンバーは


 

  『良い人」「常識のあるひと」に声をかけて集めたそうです。


 

  だからみんながみんなそうではないかもしれないのですけどね。


 

  韓国で生活する外国人女性にもいろんな人がいるように。



 

  ということを後記として書いておきます。


 

  ありがとうございました。