こんなこと、あんなこと

山田詠美の世界2013.3

백강 문정사랑 2013. 10. 5. 12:35

 ひきつづき『小説」の話。


 日本を離れて長い私が


 日本の小説に関してリアルタイムでの詳しい話ができるわけではなく、、、



 とりあえず、『昔読んだ小説」の中での


 話をさせてもらいますね。



 私が今、夫との関係性において


 「影響を受けた」と思っているのが


 山田詠美さんの小説とエッセイです。



 10代のころ、大好きで、ずーっと読んでました。


 その当時、一番好きだったのがこれかな。



  

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)/新潮社
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 比較的、近年出したもののなかで

 好きで読んでいるのが

  

風味絶佳/文藝春秋
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 あれ?これ映画化されなかったですか?


 

  夏木マリさんとかが出てて。



 

 それと


 

 

無銭優雅 (幻冬舎文庫)/幻冬舎
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 このあたりです。




 私が彼女の描く世界に惹かれるのは


 女性が自分の能力を発揮する場所を持ちながら


 パートナーとユーモアを交えた


 暖かい関係性をフェアに築いている


  そんな風に見えたのです。



  女性が自分のセクシャリティを抑制することなく

 

  やりたいことをやりながら


  それでいて、周囲の人間といい関係を


  築いていけるという希望がそこには見えました。



  彼女のパートナーは常に一定していたわけではなく

 

 ただ、外国人であり、ほぼ「黒人」であったことが


  多かったようです。


 その「彼」たちとのやりとりが、素敵だった。



  たとえば、夜遊び好きな詠美さんが


  二人の生活する


  台所のシンクをあまり掃除せず


  その生ごみ入れに、


  「虫が湧いていた」と


  いうことがあったとします。



 それを詠美さんのパートナーが


  彼女に言って、その怠惰さを責めます。



 それを聞いた彼女の言った言葉は


  「飼ってんのよ!」でした。



  10代だった私は将来旦那になんか言われたら


  絶対にこういう風に言いかえそう!と


  その場で決めちゃったような気がします。



 

  韓国人の夫と暮らし始めた頃は


  けっこう殊勝なフリして


  言うこと聞いてたはずなのに


  一年もしないうちに、


  韓国語の口げんかでは負けなくなって


  そして私のそんな「勝気」な部分を


  好きだという夫に恵まれて


  結局私は言いたいことを言って暮らしているのです。



  でも、それは最初10代のときに


  読んだ本のなかでときめいた言葉を


  借りただけ。


  私の言葉の引き出しに、そっとしまっておいただけ。


  でも実際にそれを使ってみると


  「じ~ん!きーもち良い!」となり


  この保守的な韓国でそんなこと、


  女に言われたことない男性は


  呆然とする。




  そういうことを言ったからといって


  「可愛げがない」とか


  「女らしくない」とか周囲に言われず


  却って人から大事にされている詠美さん


  (もちろんすごい文学的才能が裏打ちされてるからですが、、)


  私にとって


  「こんな風になりたいなあ」というあこがれの作家さんでした。



 最近買った彼女の手によるものは


 これ



 

顰蹙文学カフェ (講談社文庫)/講談社
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 おもしろそうでしょ!