試行錯誤していこう2013.4.3
昨日、中学生の娘が学校で
道徳の授業を受けてきたのですが
その内容に関して。
テーマが『多文化家庭」だったそうです。
現在韓国には15万人を超える外国人が
結婚を理由に住んでいますから
「多文化家庭問題」は
韓国社会の大きな問題なのです。
オンマが外国人である私の家庭も当然
『多文化家庭」の範疇に入っています。
娘が昨日受けてきた授業の中で先生が
「多文化家庭というのは、奥さんが貧しい国の出身で
お金がなくて、韓国にお嫁に来た人たちで、、」
という説明がなされたと、
娘の言葉だけを信じると
道徳の先生がそう言ったということでした。
それで娘が家に帰って
夫に言いました。
「おとーさん、うちって多文化家庭って言われる家庭だよね?」
「うん、そーだ」
「おかーさん、貧しい国から来ていないよね
しかもおかーさんの家、全然貧しくないよね」
「そのとおり、あっちのほうが金持ちだな、間違いなく」
「と、すると、、、あれってやっぱり間違えてるよね」
と娘は学校で先生が言ってたことを
夫に話しました。
「先生の言ったことって、
いわゆる『偏見』と『先入観』じゃないの?
つまりは。」
と娘は夫に言いました。
「そのとーり」
私はおそらくその道徳の先生よりも
ホントの『多文化家庭」にたくさん接してますが
「多文化家庭というのは、
奥さんが貧しい国の出身で
お金がなくて、韓国にお嫁に来た人たちで」
という言葉に当てはまる人もいれば
まったく当てはまらない人もいます。
まあ、この先生が『正直な人」なのか
『考えなしの人」だったのかは
よく分かりませんが
韓国で『多文化家庭」が
どういうイメージでみられているか?
という見事な答えにはなっていると思います。
うちの夫が、
「それはまずいよなあ。道徳教育の時間にそのやりかたは」
といって、どうしようかなあ、、とちょっと考えてました。
朝、郡の教育庁の多文化家庭関係担当者に
電話をかけて、チャンハクサに
それを報告し、二人で対策を練っていました。
各学校に公式文書を送るかもしれませんし
もしかして夫が教育庁の依頼で
道徳の先生たちに対して
講義をすることになるかもしれません。
今もうちの夫は教育庁依頼の講義を
小中学校の教師対象にやってますが
とりあえずそれは自分の専門の『歴史地理」
それと「性教育」ですね。(今年から性教育の時間数がぐっと増えました)
この「多文化家庭」の問題に行政や福祉の手が入り始めたのは
21世紀の初めごろ。
外国人の移住を受け入れながらも
韓国ではまだまだちゃんとしたノウハウが詰まれてない。
ヨーロッパみたいに「多言語・多国籍」の人たちが
集まって暮らす国じゃない韓国
一言語で、見た目もほとんど同属の国民たちの国
そこは日本もおなじか。
だから韓国の「多文化家庭支援政策」にはまだまだ
穴もあるし、問題もある。
実際にこの政策に関わっている人たちでさえ、
本当のところは『何が正解なのか?」なんて
分からず手探りでやっているのが現状だと思う。
それでも、それを『やっていこう!」と
前向きに取り上げていくのが
いつも感心する『韓国人の力」だ。
試行錯誤しながら、なんとかモノにしていこうとする。
それは『小学校の英語教育」も同じ
日本の公立小学校の正規の英語教育は2011年のスタート
韓国はなんとそれを1997年にスタートさせた。
想像するに難くない。
きっとそのときは韓国の小学校何のノウハウもなかったはず。
やるかやめるか迷いながらぐだぐだ言ってる間に、
やった人には『経験値」が
積まれていく。それだけのことだ。
成功するか、しないかの問題じゃない。
ホントにそれだけのこと。
「経験値」の高い人は、
一般的に『頭のいい人」と言われやすいという
傾向があるだけのこと。
夫が娘の学校の「道徳教育」の話をきいて
さっと教育庁に電話して、改善を促す。
そしてそれを担当責任者が受け止めて行動する。
確かにうちの夫と郡の教育庁には
すでに積んだ信頼関係があるからできること。
もしかして他の父兄が言ったら「文句つけられた」と
思われてはねつけられるかもしれない。
でも、それでも我慢できない人はやっぱり
学校に抗議したり、教育庁に抗議したりしてきたはず。
そうやって、試行錯誤しながら
「なんとか良くしていこう!」という気持ちが
親にも教育者にもお互いにあるから
抗議も起こるのだと思う。
内向きに引きこもっていては、この変化はありえない。
どういうわけだか、
私が個人的に見るとき
学校関係、学校以外の私教育関係者の態度が
ここ数年でものすごく良くなっているような気がする。
対処の仕方がレベルアップしているというか。
昔の韓国の教育界にあった
「先生様偉い!先生様のいうことは絶対的!」(先生任)
じゃなくて、
ちゃんとこっちの言うことにも
『耳傾けますよ」という姿勢が見られる。
私は、うちの娘に言った。
「人ってね、口で「これが正しい」
とかいわれると、聞かないのよ、なかなか。
だけどね、見たものって結構信じちゃうんだよ。
だからね、あなたの学校の先生が
『オンマが外国人の家庭はレベル低い』って
思ってたとしても
あなたが明るく楽しく生きることが感じられたら
そのうち勝手に
『オンマが韓国人の家庭でも、ちゃんと育つんだなあ』
って自分から言い出しちゃうモンなのよ。
だからあなたは「先生の考え」じゃなくて
『自分の気持ち」にこだわって生活すればそれで良いんだよ」
といった。
どうせ、うちの娘は
そんなに『道徳の先生の考え」にこだわってないみたいで
昨日から始まった学校の『水泳授業」で
どうだったこうだった。という話ばっかり。
「イキナリクロール(自由形)やらせるんだよ~!!」
「教えてないのにでしょ?」
「そうそう!」
「それが韓国の学校のオキテなのよ!(笑)」
きっとそこらへんは今後も変わらないような気がする、、、