教育の話

目に見える点数2011.12.7

백강 문정사랑 2013. 9. 11. 10:37

 


 送らないといけない原稿を全部だしたので


 今日はこっちに来て、書けるだけ書いています。



 9月から勤務している小学校で昨日期末テストがあった。


 私の教えている子達は、この春日本の小学校から転校してきた子たちだ。


 韓国語能力が低くて学校の授業についていくことが難しいので


 私が一日2時間の補講教育に関わってきた。



 私の教え子たちの点数はどうだったんだろうか?


 と担任の先生に聞きに行った。



 なんと、一年生の子が、数学で100点を取った。


 「韓国語が読めさえすれば、こんなに出来るんだ!」

 

  と先生がビックリしていた。


 同じクラスの韓国人の男の子でも、そんな点数は取れなかった。



 

  一番問題になっていた、2年生の子まで、数学で80点を取った。


  しかも国語の成績も一学期に比べて大幅アップ!


  試験問題にはすべて鉛筆でアンダーラインが引いてあって


  誰が見ても


   「一応試験問題をすべて読もうとした形跡がある!」


  ということで、先生たちを驚愕させた。


  「以前は全く試験に無関心で、真剣に取り組もうとしてなかったのに」


 

  3年生の子の成績はいつも良い。


 彼女のことは最初からあまり心配されてなかった。


 


 点数がはっきり出たので、


 韓国人の先生たちの子供たちを見る目が変化した。

 

 

 


 ちゃんとやるとこんなに効果があるんだ!ということに


  先生たちが一番びっくりしていた。


  多分どうにもならないと思ってたんだろう。 



  「こんなこといっちゃいけないんですけど

 

  正直いって

 

  韓国人の生徒でも馬鹿だと、、いえいえ


  学習不振だと、こんな成績は取れません。」



  先生たちの子供たちを見る目が

 

   はっきり変わった。


  たかが一回の試験の「目に見える点数」だけど


  客観的なものだから、先生たちには効く。


 



 この一月半くらい、

 

 彼等にずっと簡単な韓国語の文章


   短い物語を音読させてきた。


 3人ともレベルが違うので、

 

 同じ教材は使えないから


 いっしょにはやれない。


 授業時間中、ずっと誰かの音読に付き合っていた。


 そして毎日韓国の伝統童話の読みきかせを1冊から4冊。


 すんごく地道ーなことをやってきた。



  期末テストの前日、


 子供たちに聞いてみた。


 「明日テストだね。大丈夫?」


 いつも成績が良い3年生は、いっそ嬉しそうだ。


 1年生の子は「テスト?そんなの全然カンケーねー」 という顔をしていた。



 2年生の子はとても不安そうだったので



 「テストで、○になろうが×になろうが、


 それであなたの価値が上がったり下がったり

 

 することはないんだよ。


  でもね、先生たちは 


 この子はちゃんと習ったことがわかってるかなあって


 知りたくて、こんな紙を用意するの。


 だからね、これは先生からの質問なの。


 質問に答えられなくても、


 質問の意味はなんだろうって

 

 ちゃんと聞くようにしようね。


 分からなくてもいいんだよ。


 一生懸命読んで、

 

 できることに答えてくればいいんだよ」




 といって送り出したら、


 本当に一生懸命読んで、


 試験問題すべてにアンダーラインを引いたのだ。


 その結果、先生たちがびっくりするような点数を取ってきた。




  子供に下手なことはいえないなあと思った。


  そして子供の能力はすごいなあと、心から尊敬した。



  昨日、2年生の子の国語の文章問題。



 「一番尊敬する人は誰ですか?」の答えに


 「えみこ先生」と書いてあった!!!



 私は恥ずかしくて、でも嬉しくて涙が出そうだった。


 正体がばれる前に、さっさと学校を立ち去らねば。



 私は秋からこの子たちの指導をする約束をしてしまったので


 別の仕事を減らし、書くはずだった原稿を諦めた。


 原稿の内容は軽いものではなかったし、


 現地取材が必須なものだったから。


 私はこの期間、空いた時間ずっと

 

 韓国の小学校の教科書を読みつづけていた。



 秋に小学校の教頭先生に泣きつかれて


 つい「やります」と返事してしまい、


 あーあ、

 

 また情にひっぱられちゃったよと思った。


 

 でも、今はこっちを選んで良かったんだなあと思う。


 私が元気なかぎり原稿はまた書ける。


 小学校低学年という

 

 こどもにとって大切な時期の教育が


 韓国語能力の低さによって空回りするより、


 中間に入ることで、

 

 いくばくかの手助けができて本当によかった。



 さっきこの子たちのお母さんと電話で話した。


 お母さんはこの子達がテストで

 

 そんな高得点を挙げたことを


 知らなかったので教えてあげた。


 「めちゃくちゃ褒めてあげてください」と


 お願いした。



 さあ、今日も仕事に行ってきますー!!