先日、奥さんが「外国人」である男性の集まりで
講義をしました。
テーマは「子供に二ヶ国語教育をする前に」
です。
この写真、一応会場に大急ぎで
講演タイトルをくっつけてくれたようですが
間違ってます!
写真のタイトルは 子女の二重言語(教育)の
ためのパパの役割
となってますが 私が言おうとしたのは
それ以前の家庭での教育的雰囲気づくりについてです。
講義といっても30分くらいのものですが。
『妻からの苦情」というタイトルが
私の作った講義案の頭についていました。
(これをつけたのは当然ウチの旦那です。)
苦情じゃないよ! 忠告くらいのもんでしょう!
対象の男性は30人くらいで
すべて奥さんが外国人です。
ここ数年の間に結婚した方が中心で
まだ子供さんが保育園、幼稚園、 とにかく未就学の家庭が中心でした。
私が呼ばれたのは
ウチの子供たちが家庭で日本語をしゃべるからです。
それとうちの子供たちの「中国語習得能力」の高さが
多文化家庭センターの中国人職員さんの間で話題になっていました。
「なんで、お母さんが日本人なのに
おたくの子供さんはウチの子達よりも 断然中国語がうまいの?」と。
そこにウチの娘が先日
「中国語大会の一等賞」を取って来てしまい
目に見える実績ができたので
「どうやって育てたら
こんな風になるんですか?」
ということで講義のマイクが私に回ってきたのです。
(どうやってもこうやっても、
実は私は結婚当初、子供に日本語をなんて
これっぽっちも考えてなかったのですが、、、)
これは郡での巡回講義なので、また郡内別の地域でもやります。
韓国にお嫁に来ている外国からの「移住女性」たちに
『子供たちの二ヶ国語教育」を薦めるのが
現在の韓国多文化政策の風向きです。
3年くらい前から政策としては始まっているのですが
実践は難しいという声が聞こえてきます。
特に在韓年度の長い「移住女性」たちにとっては
いっそハードルが高いようです。
それは中国人、日本人の子女たちです
こんな感じで話しました。 (わたし小さすぎる?)
春ですからみなさん
その日の農業が終わってから集まります。
午後8時をすぎてようやく始められます。
午後3時では誰も来れません。 冬場ならともかく。
こういう「外国人嫁の旦那の集まり」を
ここまで頻繁に仲良く維持できる地域は
韓国の他地域でも、そうないそうです。
うちの町は韓国の「多文化家庭政策」としては
レベルの高さを誇っている地域だそうです。
去年もうちの町の多文化家庭支援センターが
センターとしては実績「全国一位」の栄冠に輝いたそうです。
そうだったの?
そこで、ご主人たちに
バイリンガル教育をする前に! です。
まず!
生活の中で言語能力自体を高める試みを!
が重要だということを話しました。
外国語も言語です。
そして外国語能力の伸び具合というのは
母語の言語能力を超えることはありません。
だから「いかに早く外国語教育に着手するか!」が問題ではなく
バイリンガル教育の下地として
「いかに高い母国語駆使能力を
構築するか」が
より重要となります。
ママにとっても子供さんにとっても。
そのための日常での取り組みとして
1、文字に関心を持たせる
文字盤、カードなどを家庭において周囲に文字のある生活を心がける。
文字と言葉との関連性があることを生活の中で教えていく。
2. 辞書をいつも手の届くところへ
外国人女性が韓国で生活すると、生活語は比較的早く習得するので
韓国語ができる!と錯覚するが、ただ単に「耳で覚えた」レベルであって
韓国人がその言葉を聞いて理解するレベルでの理解ではないことを
知っておく必要がある
だから分からない言葉などが出てきたらすぐにその「意味」や「語源」が
引けるように、キッチンにも、寝室にも「辞書」を置いておく
この習慣は、子供の教育にも非常に有効である。
とにかくママが韓国人ではない!ために教えられないことがあることは
ちゃんと認識すること
以下参考図書
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3.書いてみせる習慣を
「耳で覚えた」韓国語を正確なレベルに落とすために
ご主人たちは面倒でも、「書いて見せる」ことを
心がけて欲しい。
家庭で手の届くところにいつも筆記用具、
ホワイトボードが家の中にあればもっといい。
奥さんたちがこれから子供たちの教育に関わっていく以上
「読み書き」とは無縁ではない!
妻の韓国語能力を伸ばすために、一手間掛けて欲しい。
携帯のメッセージ機能で満足しないこと!
参考図書
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4. 親のうちのどちらかが子供の教育に関心をもつ
奥さんが「韓国の教育」を経験して育ってないことを理解し
子供さんの教育においてのケアは、
多文化家庭の場合「父親参加」が欠かせないことを念頭に。
子供の「韓国語能力の高さ」は父親に掛かっていることを自覚!
「韓国の教育に理解がない!」ことで奥さんを責めないこと!
ご自分も「モンゴルの教育」とか絶対分からないでしょ?
二人のうち一人が気を使えればそれでいいとしよう!
あと、家にそろえたい絵本の書籍などは、別紙参照ということで
次は
家庭内でのパワーバランスに対する配慮について
地方部では義父母と同居する外国人女性が多い
この義父母たちが
はっきり言って一番の「二重言語教育の障害」で
あることは間違いない!
もうしわけないけど、、、
「外国語なんかで育てたら、
韓国語ができなくなるじゃないか!」とか
とにかくいろいろいわれるんである。
韓国の田舎の老人というのは、、、
中国とかベトナムとかに対する偏見が強い
「貧しい国出身」であることを、
「人間として未熟」であることと混同している場合がある。
じゃあ、それを家庭でどう乗り越えていくのか?
まず、私の意見としては
「早くやらなかったから、外国語ができない!
ということはありえません!
高い言語能力を育ていれば
、あとからでもいくらでも外国語習得は可能です!
二ヶ国語教育を早くはじめるといいのは、
親も子も非常に楽にできること
そして習熟が早いということ、
英語などを学ぶときに有利ということです。
しかし家庭内で反対勢力があるのに
それを押し切ってやること自体がストレスになるなら
無理してやるほどのことでも
ありません。
義父母がいうように、しっかり韓国語を教えれば良いと思います。
ただ、ご主人がいつも奥さんに
「自分はあなたの味方である。
あなたの意見が正しいと思う」という
意見表明を欠かさないことです。
別に義父母の前でやらなくてもいいので 二人のときに
こういってはナンですが、、、
義父母はそのうちあの世に
逝く順番が回ってきます!
間違いなく!
いつかは終わる干渉です。
そのときになって奥さんの心に
傷を残っていなければ大丈夫です!
元気に生きていけます。
そのときにまた始めれば良いのです!
そういう場合は家庭で、
ずーと外国語の音声を聞き流す
という取り組みだけでも
すれば、外国語をやろうと思ったときに助けになるから
とにかく「無理しないでください」ということを強調した。
ここで韓国人の講師だったら
「無理してください!将来の子供のために!」
と言いそうだけど
私はそうは思わない。
私は人は実は「損得」では動けないと思っている。
一見「損得」で動いているように見えるけど
そんなの続かない。
そういう人は
別の「損得」が見えたらそっちに動くんである。
だから、
奥さんに絶対
「あそこの家の子はオンマの国の言葉をしゃべってるのに
なんでお前はやらないんだ!」 とか
責めないでください!! とお願いした。
いかにも嫁さん責めていそうな顔が
三つくらい講師席から見えたから。
あんたよ あんた、そこの若いの!
自分のこと棚にあげて人責めてんじゃないわよっ!
あなたたちの奥さんである移住女性というのは
ものすごい勇気の持ち主なんです!
ご主人たち
ベトナムやカンボジアに渡って
業者を介在させてお嫁さんを探しましたでしょう。
これこれこういう人です
韓国人で年はいくつで、収入はいくらで
と言われたところで、
奥さんにしてみたら、果たしてそれは嘘かもしれない。
韓国に行ってみたらもしかして全然違ってるかもしれない
もしかしてこの人にすごい借金とか連れ子とかいたら、、
実際そういうケースもありましたからね。
去年韓国でベトナムから来た奥さんがご主人に殺害されましたしね。
だけど、奥さんたちは目をつぶって
「えいっ 」 と飛び込んでこれた人たちなんです。
すごい胆力の持ち主なんです!
しかも二言語で生活している高い能力者なんです!」
だから
いつも奥さんをほめてあげてくださいね
「あなたは偉いね、賢いね」と。
少々外でなんか言われても
「あんな馬鹿な韓国人の言うこと気にすんな」
と味方になってあげてください。
子供さんにも
「うちのオンマは偉い人なんだ」と
教えてあげてください。
私は、家庭で何を教育をする前であっても
家族の信頼関係という土台が必要だと思っています。
もしウチの家庭の子供が
韓国で学校に通いながら、
日本語にも不自由せず、
中国語もいけるようになった理由があったとしたら
まず、家庭での信頼関係があったからだと思います。
私のすることを夫が信じてくれていたからだと思います。
夫がいつも子供たちに
「うちのオンマは賢い人だ」と言い続けてくれたからだと思います。
だから皆さん、奥さんを褒めて
慰労してあげること
これが、二重言語教育の前にして欲しいことです。
という話をした。
これを20分や30分でというのはかなり難しくて
細かいところは
全部資料を渡して読んでくださいということにした。
あと、質疑応答があった
「外国語が口からでるまでに
どれくらいの期間続ければ?」
「嫁さんの里に送る頻度は?」とかの質問が出た。
疲れてるのにちゃんと聞いてくれたのね!
みなさん、がんばりましょう!
どんなことでも
「それができた人と直接会う」
というのは強い。
こまごましたノウハウを知るためよりも
「できます!」 と強く確信している人に
会えることが力になる
それが講演会を開く意味だと思う。
望まれてない地域にまではわざわざ行かないけど
こういう「教育情報」を知りたい人の集まりで
要請があれば交通費くらい負担してくれれば
韓国内部くらいなら動いて話せると思う。
私は韓国での結婚当初「上手に子供を育てている人」とか
「バイリンガルに育てている人」 を見たことなかった。
だから無理なんだと思ってた。
いるのなら「そういう人」に会いたかったし
アドバイスをもらいたかった。
そういう人とお付き合いしたかった。
でも周りには「生活に喘いでいる外国人、、、」が多かった。
たぶん同じブログメンバーの「まきさん」も
そういう気持ちをもっていると思う。
だいたいこの「ブログ開設」にしたって
「教育情報」公開のために始めたブログだ。
決して!「えみこの韓国生活ヨタ話」を垂れ流すためのブログでは
なかったのです! 実は。
だって「ソウルの教育ママ」ですからね。
まあ、あまり枠を作らずになんでもアップしていきましょう!とは言ってましたが。
「書きたいこと』書いてたら、いつのまにかこうなっただけで、、、
私は最初、ぼっけーと韓国の地方都市で母親をやってたのですが
ソウルに引っ越して
三番目の子を産んだあと、
ある日イキナリ
「ここで子育てするんだったら、
このままではアカン!」と思い立って
いろんなママの話を聞きに動き
その教育情報を実践しました。
決して最初から「計画的ママ」ではなかったのです。
後発で教育しても大丈夫というのは、
私の実感でもあります。
その中で一番チカラになってくれて、
最高の情報源をくれたのが
いまやおなじブログメンバーになっている「まきさん」です。
本人に確認してませんが(笑)
多分あちらも「講義出張」オッケーだと思います。
二人揃って呼んでくれたら
多分「まきさん」のピアノと「えみこ」の歌もご披露できると思います。(笑)
私が「二重言語教育に成功したママ」として
講師の席に呼ばれるなんて
たった5年前まででも、考えたことがありませんでした。
どっちかというと「失敗したママ」に近かったんですよ。
人生分かりません!
今週は、郡よりひとつ規模の大きい地方自治体で開催される
「多文化家庭の教育に関する会議」に
子女教育に関するコメンテイターとして参加します。
そこによばれる理由はやっぱり
「子供に自分の国の言語を教えることに成功したママ」だと
周囲が見ているからです。
そういう認識ができると
得することがいーっぱいでてきます。
私は子供のおかげでとても得しています。
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