恵実子のひとりごと

高山城(古代百済式山城)

백강 문정사랑 2010. 10. 4. 11:31

昨日久しぶりに、ニュージーランドカップルが遊びに来たので
 お弁当を用意して一緒に山に行ってきました。

 

 


 
  全羅南道霊光の手前に大山(テーサン)という地域がある。
 この大山からほんのちょっと行けばすぐ霊光なのだが
 大山は全羅北道コチャン郡に属する。
 
 その町にコインドル(ドルメン)が大量に集まった地域がある。
 コチャンの中心とはかなり距離が離れているが。
 
  そのコインドル集落にも百済式山城があるのでそこに登った。
 
 


 泉から湧き水がふきだしていた。
蛙が行ったりきたりする。
 リスのようなもっと黒くて尻尾の大きい(韓国ではチョンソルモ)という
 可愛い小動物が栗を抱えて走る。

 

今の時期、山には栗があちこちに落ちている。

 


 苔むした木の樹皮はもうトトロの世界。

 


 柿が熟すにはもう少し待たないといけないが、
 秋の山にはいろんなものがある。
  
 最初は栗を拾ったり水溜りに水路をつけたり
花の写真をとったり、黄色い蝶々を追いかけたり
 きゃあきゃあ楽しく歩いていたのだが
 だんだんと山が険しくなってきた。
 
 私は末っ子のスンギくんずれなのでとくにスピードが遅い。
 山の険しさにだんだんみんな無口になってきて、
 栗も同じようにたくさん落ちているのに
 拾う元気もない。
 
 しかしびっくりするのはそんな山の
 かなり高いところにまでコインドルがあることだ。

 

 

 
 それも小さいコインドルじゃない、長さだけで3メートル
 高さが4メートルくらいあるような巨大なもの。
 それがいくつもある。
 
  自分が歩くのもしんどいような山なのに
 なぜこれがここにあるのだろうか。こんなに大量に。
 
 古代の技術をもってして
 どうしてこれが可能だったんだろうか?
 この不思議はピラミッド並みだと思う。
 
 エジプトのピラミッドは世界各国からお客さんが来て
 感動して不思議がってくれるが、

 それに比べたら韓国の田舎町の
 コインドルなんてさびしいもんだ。
 
  ドイツにローレライ伝説がある。
 以前私がお世話になっていた教授がドイツ在住15年の方で、彼がいうには

 「あそこ行っても特別なものはなにもない。 
 川の流れの問題で沈む船があっただけで、
 それも流れを把握してしまったら不思議でもなんでもない。
 でもそれを見に世界中から人がくる。
 全く同じ川の流れが韓国のこの町にあるのに!」と。
 
 彼はローレライの歌に韓国語の歌詞をつけて
 学生に歌わせて録音し観光資源化を図ったが
 多分あまり日の目をみなかったと思う。
 そういうのが得意な方ではなかった。
 
 多分二時間くらいかけて頂上まで登ったと思う。
 うちの子供たちはこういう場所にしょっちゅう連れてきているので
 さっさと登っていくが、これは慣れない子供には無理だとおもう。
 
  
 
 汗だくになって、山頂に着いた。
 上に登っていくほどに、百済式の山城の城壁がはっきりと
 観察できた。

 

 

 


 コインドルもすごいけど、この山の上にお城を築くってのも
 いったいどうよ?
 ものすごい人的資源が投入されたはずだけど。
 
 どれだけ権力のある指導者がいたんだろうか。
 こんな山城がかなりの数この地方にはある。
 山城として分かるのはあまりなくて、専門的知識を持った人がみないと
 分からなくなっているものが多いが。
 
 とにかくこんな近所にまで、百済時代の遺跡があるのだから
 ちょっと頑張れば見ることができるんだけど
 このごろの韓国の小学生の体力ではこんなツアーは無理じゃないだろうか。
 団体行動はまず安全第一だろうし。
 
 ボーイスカウト系の活動も、昔は野外キャンプが多かったらしいが
 なんだかこのごろ都会のテーマパークばっかり行くので
 辞めさせた。
 先月は「床下のアリエッティ」を見に映画館に行ったし、お昼はビザハット。
 田舎の子供たちに都市体験をさせたいということでこうなってるのか
 でも田舎の子って実はちゃんとした田舎体験もできてないのが実情なんですが。
 
 以前慶州の博物館にいったとき、スカウトの子供たちが団体で博物館見学に来ていた。
 流して観覧するだけであって、あれじゃ行ったというより通ったという感じだと思った。
 行かないよりはいいだろうけど学習効果はあまり期待できそうにない。
 
 どこの家でもできるわけじゃないだろうが
 細かく丁寧に教育するためには
 親が連れていって、一緒に見て調べてやるのがベストだろう。
 
 経済力がいるし、説明してやるんだったら親にも知識がいる。
 休日を増やせば子供が課外体験を積めるかというとそうじゃない。
 そういう部分にこそ家の格差がはっきりでる。
 家でテレビみて寝てるのが一番お金が掛からない。
 
 
 ニュージーランドから来た二人はとても喜んでいた(と思う)
 彼らは来年はメキシコで仕事をしようと思ってるらしい。
 若いうちにいろんな国を見ておきたいそうだ。
 
 せっかく仲良くなれたのに残念だけど。
 英語というスキルがあるから、どこでも仕事ができてうらやましい面もある。
 
 韓国はすぐに冬がくる。
 こうやって薄着で外に出られるのもそう長くない。
 すぐに紅葉の季節がきて、いつの間にか一気に寒くなる。
 
 しかも私の住む町は韓国有数の豪雪地帯だ。
 この町の人は4WDに乗ってる人が多い。
 
 来週も再来週もその次の週もどこかに行こうと思う。
 冬になる前に。見るものはいっぱいある。
 
 私たちは都市生活をしてこの町に来たから
 田舎の何もかもが美しいし貴重だけど
 ここにずっと住んでる人にはそれが見えないんだと思う。
 
 私はこの町の夕焼けの美しさにずっと打たれている。
 見るたびに涙がこぼれるといったら大げさだけど、
 息を呑むほど大きくて、天気さえ良ければ
 こんなすごいものを毎日目にして一日を終えられる幸せに感謝している。

 
 
 山で拾った栗は小さくて、とても売り物にはならない。
 換金所にいったらゴミ扱いだろう。
 だけど小さい栗ほどおいしい。
 
 田舎の人たちまでがみんなで都会を目指している中
 私たち夫婦のようなのは主流じゃないと思うけど
 時代なんていつ変わるか分からない。
 
 昨今の野菜高で、庶民の目も農業に向き始めている。
 輸入や流通にに左右されていてはいけないと。
 
 だから「自分で歩く」能力というのも、
 決してバカにできないと思うのだ。
 
 11月にこの町で「コインドル・ハーフマラソン」というのがあるらしい。
 フルで歩くかもしれないが出てみようかなとおもう。
 「歩くこと」に価値を見出す韓国人と会えるかもしれない。
 ああ、マラソンだから走るんだっけ。
 
  

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