(-^□^-) 私の生徒さんの中に、ずっとフリーの家庭教師一本で生きている女性がいます。
中学生を中心に数学を教えている先生です。
平日はばらつきがありますが3.4件
土日はびっしりと埋まってしまう人気の先生です。
彼女に韓国の子供達とのかかわりについて、
ご自身のお仕事について聞いてきました。
題して新しいインタビューシリーズ 「教えて先生!」を立ち上げました。 パチパチ(=⌒▽⌒=)
考えてみると、知り合いの中に、校長、教頭をはじめ、塾の先生などの教育関係者がいるし
母校の大学院に行けば、教授達のインタビューくらいすぐ取れるのだから、
一人一人お話を聞いて回るのも面白そうだと思いました。
もし、こういう韓国の教育関係者に聞きたいことなどあれば、コメント蘭にどうぞ!
さて、今日の主人公、 「ファン・エウンさんです。」
ファンさんで通しましょうか。現在30代前半。
彼女は4月に私が立ち寄ったコーヒーショップで知り合い、
そのときに「日本語個人授業を」と頼まれ、一週間に一度お目にかかってます。
もともと日本のドラマに嵌っている人なので、90年代に日本を離れた私より
日本の「今」をよく知っていて、そこいらへんあちらが先生です。
さて、ファンさんがなぜプロ家庭教師になったか。
子供達とどうかかわっているか。
またプロ家庭教師としてのプライドと、家庭教師をしながら感じたこと
などを語っていただきました。
(ファンさんはいつもこのアイパッドを持ち歩いています。
ここに学習資料と、生徒管理のすべてが詰め込まれています。
スマートフォンで、携帯とアイパッドの機能を兼ね合わせることは出来るけど
小さい液晶に向かってあれこれ作業するのも不便だということで、
彼女の仕事はこのスタイル。 キュートな指先に注目!
彼女は、この日とても素敵なシャツを来て登場しました。)
全羅北道で生まれて、高校まで地元にいて、
大学は、全羅南道の広州のほうに行きました。
そのあとソウルにいたんですけど、そのとき子供達の学習誌の先生をしていました。
そのときも、科目は数学でしたね。
アルバイトならともかく、まさか自分がこういう仕事に付くなんて、
全然想像してませんでした。
元々、レストランとかコーヒーショップの経営者になれたらと思ってました。
割のいいバイトとして、塾の教師とかしてたんですけど
そのとき、国語か数学かどっちか選べって塾から言われましてね。
どっちが楽かな?教えやすいかなって考えて数学にしたくらいで、
元々数学って得意でも好きでもなかったんですよ。
ソウルで、体の調子が良くなくなってしまったので、
地元に戻って、塾の先生(やっぱり数学)とかしてたんです。
仕事はじめた頃は、自分の中に子供に対する偏見があったんですよ。
「いい子」と「悪い子」をさっと線引きして分けてね、
「いい子」には一生懸命力を注いで。
そうすると結果も出ますし。
「悪い子」はもう、こんなもんだって感じで、それなりに付き合うというか。
でも、今の仕事を天職だと思って、死ぬまでこれをやるんだって覚悟ができてからは
その「悪い子」に対する偏見をなくそうと努力しました。
それが数学の家庭教師初めてから、5年目くらいのことです。
「悪い子」にもきちんと対していると、
自分に結果が返ってくるのが分かるようになりました。
おかげさまで口コミで、あちらこちらのお母さんに紹介を頂いています。
性格的にはこういう仕事が向いてたってことでしょうね。
結局どんどん仕事が広がって、それ一本でやってるってのは。
昔は拒絶してましたからね家庭教師の先生なんて。
私の先生としての長所は「簡単に教えること」です。
元々、数学が好きな人じゃなかったから、できることだと思います。
数学は、とにかく結果が目に見えやすい科目ですから
苦手だといって放置しておくのはもったいないと思います。
私は子供達に「先生も数学できなかった人だ」とばらします。
そして、数学の全体的な流れを説明します。
とにかく数学嫌いの私が、それでも一番簡単に覚えた方法を
子供達に教えます。そうすると、やはり分かるようになりますね。
学校の先生というのは、どうも一つの教え方しか、子供達に教えない。
解の求め方というのは、本当はいくつもあるのに。
学校の先生でもはっきり子供達に向かって
「塾で勉強してこい」と言う人もいるくらいで、
一体どうしてこうなってしまっているんだろう?と思います。
ある意味無責任なのではないかと思います。
だって私の生徒が私の説明で理解できるのに
学校の先生のいうことは「さっぱり分からない」という子がいるんですから。
とにかく難しく教える必要はないんです。 簡単に簡単に
私は「難しいことを簡単に教えられる先生」 です。 o(^▽^)o
自分がこの仕事をして、子供達と関わって痛切に思うことは
子供達、「基本」が出来ていないことが多いということなんです。
「数学の基本」という意味もありますが、
まず、時間を守る、筆記道具を準備する
本を持ってくる、その次の段階として宿題をしてくる、というようなことですが
これが出来ない子が驚くほど多い。
家庭教師の学習の場って、生徒と私の自尊心の戦いの場ですから
「約束を破る」ということが、この先生には通じないということを
子供に認知してもらわないと、やっていけません。
ですから、私も子供との約束は絶対守ります。
とにかく、この先生といついつ勉強するということを、
時間はもちろん本人の責任で守らせることが大事です。
最初に話したとき、言葉遣いから正させます。約束を守らない場合、体罰も与えます。
私の叩き方というのは、手のひらをものさしのようなもので二回叩くのですが、
もう二度とこの先生に逆らうまいと思うほど強烈にやります。
そのくらいやらないと叩く意味もありません。
問題を解く過程にしても、ここまでは先生が教えるけど、
ここから先はあなたがやるのよということを線引きします。
依存させてはいけません。私はあくまでも問題を解く手助けをしているだけです。
何より私はあんたの、母親でもなければ、友達でもないという
位置をびしっと立てて、子供に分からせます。
そこに特に神経を使っていると思いますし、それがないとできないです。
そういう意味では、私は必要以上にお母さんとも話しません。
なぜなら、母親の見る子供像と家庭教師の見る子供像はいつもずれていますから。
私が子供の問題点をお母さんに指摘しても、
「うちの子は本当はそうじゃないんです」とおっしゃる方が多いです。
見てる視点が違うので、しょうがないんです。
「この子は努力すればできるんです。能力はあるんです。」といわれるお母さんがいますが、
私から見ると、努力する以前に子供の頭に、前提になる知識自体がない。
知識が入ってるなら努力もありだけど、基本知識がない状態では無理だと思います。
お母さんと家庭教師の意見が同じにならなくても構いません。
要は子供の学力が上がればいいのです。 そのための教師です。
私は未婚ですが、本当にお母さんの影響力は大きいなと思います。
なんでもかんでも、子供のいいなりにしてしまうお母さんというのがいます。
子供の願いを何でも叶えてやる事が親の役目だと思っているような。
たとえば、ある中二の男の子がいましてね、どんな塾も一ヶ月と続かないんですよ。
この町の塾という塾、すべて通って一ヶ月持たなかったという伝説的な子で。
彼を担当することになって、奇跡的に3ヶ月続いたんですよ。 家庭教師が。
成績もビリから10番だったのが、ビリから30番に上がりました。
ところがそのとき、またその子の癖がでました。
「自分がやりたいのはバンドだ」とか言い出して数学の勉強辞めてしまいました。
この家、お母さんが全然止めないんですよ。
「はいはい、あらそう」って感じで何でも子供のいうこと聞くんです。
それで結局後で彼がなんていうかご存知ですか?
「お母さんがあの時、止めてくれなかったから数学がわからない」と
絶対言い出すんですよ。
とにかくお母さん達に、 もうちょっとしっかりした
教育の指針をもってもらいたいと思います。
姉が保育園の先生をしていまして、いろんな「母親」の話を聞きますが
まあほんとにいろんなお母さんがいますよね。
保育料踏み倒して引越ししたお母さんとかね、
そういえば私も家庭教師代踏み倒されて、引っ越されたことがありましたが
ちゃんと捕まえて払ってもらいましたよ!当然ですよね。\(*`∧´)/
質問: 子供達の基礎が出来てないということですが、
生活の基礎は家庭で意識してもらうしかないとして、
数学の基礎を就学前に、子供が身につけるために、
数学の先生としてなにかアドバイスはありませんか?
そうしたらファンさんのお仕事ももっと楽になりますよね?
お母さんが子供達と一緒に数を数えるじゃないですか。
「ハナ・テュル・セッ と、あれですねえ。 あれよく見てると
お母さんが自分で数えてるんですよ、子供にやらせてほしいですね。
基本の基本としては就学前に 100までの数の数唱と
小2での九九段ですよね。
九九段といえば、自分が兄弟が多かったから出来たことだと思うんですけどね
小さい頃家に、テープレコーダーがあって、 子供達が録音したがるものだから、
父親が「よし!みんなで九九段を録音してみよう!」ということになりました。
アレは楽しかったですねえ、 ああいう風に数で遊んだらいいですよね、お家で。
速度ですか?
だんだん慣れてくると、どんどん早口になるんですよ。
就学前だった弟が全部それで覚えましたね、あの子はずーっと数学のできる子で通りました
結局博士号とって、今も研究者ですから、小さい頃の教育って大事だと思います。
以上です。
さすがにプロ家庭教師としての自尊心が伝わってきましたね。
ファンさん、大人気で大忙しの家庭教師です。
私も韓国で教えるという立場を経験した日本人ですが、
相手がものの分かった大人の場合は勝手に「先生様様」の立場を立ててくれることが多かったです。
自然とお世話役の人が立ったりしてね。
しかし相手が子供だと、彼女のようにきちんと「先生の位置を死守する」ということをせずには
教育自体が成り立ちません。
なめられちゃうんです。 「なーんだこの先生、馬鹿にしていーんだ」と。
最近では日本もそうなんでしょうか?
昔、教育大学の学生達と付き合っていた時のことですが、
卒業して学校に出る前の女子学生たちが、やたら武道をイキナリ習いに行き始めました。
「なんで?」と聞くと
「学校は戦場だから、なにがあってもおかしくないんですよ(必死!)」 (((( ;°Д°))))
公教育の先生達も必死です。
そうやってあっちでもこっちでも子供達を教育している国なんですね、ここは。
ということで プロ家庭教師のファンさんでした。
土曜日の今日、彼女はおそらく一週間のうちで
一番忙しいスケジュールをこなしていることだと思います。
がんばれ先生! o(^-^)o
そういえば、こういう方と交流したい方いませんか?
彼女なんか日本語も喋れるし、同じく日本でも私教育に関わっている方とかで
韓国に興味のある方、どうぞご連絡を。 どんどん韓日交流をしていきましょう!
現に、今年の秋、ある日本の文化団体が、私の地方に来るのですが、
そのとき、彼女達と交流会を予定しています。
私の夢は、生きているうちに韓日間のパスポートが必要なくなることでーす。(^-^)/
でも韓国併合じゃないですよ 絶対に!!
ファンさん ありがとうございました。
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