「朝鮮の風習」 第五章 言語と対応です。
5 言語と対応
朝鮮では、他人に対して目上の者を呼ぶには、それが自分の身内のものであっても
敬語を用いることになっています。内地ならば「父が」「兄が」と言うべき場合でも
「お父様が」「兄さんが」等というのであります。
が反対に、目下の者に対しては皆呼び捨てにします。
他人の子供でありましても、「坊ちゃん」「嬢ちゃん」などという敬語は
用いません。
一家の内では、夫婦は対等の言葉で応酬して
内地のように、夫が妻に対して命令的な言葉を用いるようなことは
致しませんし、一般に男は女に対しては、相手が多少目下のものでありましても
丁寧な言葉を使う慣わしになっております。
例えば妻の兄に対しては対等の言葉を使いますが、
弟の妻に対しては、敬語をもってするというような工合いであります。
これと反対に、女は自分の弟の妻なり、その妻の弟に対しては
対下語を使います。
すべて自分よりも目上のもの、または年齢の高いものに対しては
夫々の敬語を用いますが、然らざるものに対しては
対等、または対下の言葉を用いるのであります。
但し、近年は男女学生間では、身分の高下などに因る言葉の差別は
あたらめまして、互いに相当丁寧な言葉を交換するようになりました。
また、自分の親友などに対してはあたかも、自分の両親に対するような態度で
言葉遣いを丁寧に致します。
総じて、年長者、及び老人に対しては
身分が卑しくとも相当の敬意をあらわしております。
自分の年より数倍以上の人に対しては
之を遇すること父の如く
尊長と呼び、自らを侍生と称しております。
又十歳以上のものをば、老兄と尊敬し、自らをば小弟と呼んでおります。
目上の者の前では眼鏡も用いませんし
飲酒喫煙も憚る風があります。
但し近来はかうした長幼有序の美風も多少は
緩んできた傾があります。
老者を尊敬する反対に幼少のものをば
軽んずる風があります。
わけて未婚の男女は年齢の高下を問わず
一人前の待遇をしないのが例でありますから
その家の召使ですらも主人の子女(未婚)に対しても
呼び捨てにしたり、命令語を遣ったりします。
私が韓国に渡った後、ソウルの親戚の家などに遊びにいくと
大体私は子供部屋に通されて
「ここを好きに使って」 といわれるのが常でした。
子供に「ごめんね、部屋使わせてもらって」というと
「そんなの全然、かまいません」 と帰ってくるのもいつものことだったのですが
なんか、その親が子供の部屋に関する権限行使がですね
日本以上に強いのを感じました。
なんか
「こどもになんか遠慮すること無いのよー」
ってあからさまにそいういう感じでしょうか。
子供もそういう扱いに慣れてて、
「子供には子供の権利がある」なんて間違ってもいいそうにない
また、いったところで許されそうにない感じが漂っていました。
それももう10年以上前の話ですが。
また、これは逆バージョンの話ですが
私は今、「日本からお引越ししてきた小学生」を教えていますが
授業でのコミュニケーション言語は今のところ「にほんご」です。
彼ら、授業中に
「せんせー、あついー 」
「せんせー、むずかしー」
「せんせいー、 できないー 」という言葉遣いをよくします。
「です」「ます」はどこにいった??
しかも彼ら関東圏から引っ越してきたので
「○○じゃん」というのが癖なんです。気になる、、、
曲がりなりにも韓国で10年以上生きてきて
なんだかんだで「先生様」をながいことやってきた私には
「様」がついてなくて、なんだか貶められている気が、、、、
時々 「先生様」の方の韓国語読みである
「ソンセン二ム」も時々使って呼ばれるのですが
たまに間違えて、「ソンセン!!」になることがあったりすると
思いっきり馬鹿にされているような気になったりするのが不思議です。
最初に韓国に来たときは
『先生の下に様までつけちゃって、ご丁寧に、、、なにもそこまで」
とせせら笑ったりしたのですが、
10年くらいこれで呼ばれて、ちやほや大事にされ続けると、
「先生に様をつけないとはなにごとじゃー!!」
なんて気を悪くしたりしてたりするのですから、
慣れというのは恐ろしいモンです。
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