えみこのひとりごと(2010年~)

東京に行ってたら?2011.12.17

백강 문정사랑 2013. 9. 11. 11:02



 今日も勝手な独り言を。



私は生まれも育ちも西日本の出身で、


 しゃべる言葉もまさに「西日本の日本語」です。



 「日本語教師」という仕事柄、


 いえ、日本の地方在住者の多くの方がそうであるように


 関東圏で使用されているいわゆる「標準語」というものも理解できますし


 読み書きにおいてはもちろん、(教科書は標準語で書かれてますから)


 自分が話すこともできます。



 

 しかし、関東圏に住んだことはありません。


 日本は地方都市が発達しているので


 近場の大都市ですべてが事足りてしまいますよね。


 私なんかは大阪神戸がそういう都市でした。


  



 日本の伝統芸能にまで趣味を広げてしまった


 故郷の負け犬友達なんかは


 『歌舞伎座」に行くためだの、なんだのと


 しょっちゅう飛行機に乗って東京に行ってるようですが


 私は「特に東京まで行かんでもええわ。忙しいし」ということで


 日本にいるときは、精一杯大阪どまりだったのです。



 日本人ですから、日本語(標準語)は理解できる。

 

 しかし、東京という土地で生活したことはない。


 という完全な地方出身者なえみこですが、


 現在私が韓国で生活しながら


 お会いする日本の方は、「東京付近の方」がとても多い。


 

 駐在員さんという立場で韓国にいらっしゃる方も、


 ほとんどが東京からですし。


 お仕事で韓国に来られる方、なんかも大体そうです。



 それで、こういう方たち会って話したり、メールのやり取りをしながら

 

 どうも「違和感」を感じるのです。


 それは、「同じ日本人なのに、なんか遠い」のです。



 この遠さに比べたら、


 いっそ私と韓国人との距離感の方が近いんじゃないかと


 思えるほどの遠さなのです。



  たとえば、関東では


 話の相手、目の前の人、つまり英語でいう[YOU]を


 「あなた」と表現します。




 私の日本の故郷での言葉遣いでの感覚では


 二人称は「あんた」


  もっと方言色がつよくなれば「おまはん」


            (高知に行けば「おまん」)


  喧嘩するときは  「おどれ」(誰でも使うわけではありません)


 でもあまり日本では、二人称自体を使わないような気もしますが。



   ともあれ、関係性によって使用する語彙が微妙ーに違います。



  「あなた」といわれて違和感を感じるのは、


 関西の人が「あほやなあ」は傷つかないのに


  「馬鹿」といわれたら思いっきり腹立つ!(=`(∞)´=)という


   感覚の違いに似ているかもしれません。




  私は人に「あんた」といわれても、


 別にどうということはないのに


 もし「あなた」といわれると、


 なんだかその人と私の間に、思いっきり広い川が出現します。


 とても超えられないような深い川です。



 相手さんは私と距離を置きたいと思っているのではないかと


 かんぐってしまいます。




  関東圏の方は、


 「あなた」は平気なのに、「あんた」と言われると


 なんだか馬鹿にされたような気がすると聞いたことがあるのですが。

  

 低くみられているような。



 私は誰かに「あんた」といわれると、親愛の情を感じます。


 ですから、


 「あんた あほやなあ」  といわれてもハラが立たない。


 

 それどころか、その人と自分との親近感を感じる。


 なんだかいつの間にかその人の横に座っている感覚です。



 「あなたおりこうさんね」といわれるのと


 「あんたかしこいなあ」といわれて褒められるのとでは


 上記の文章では、ビニール手袋をはめた手で


  頭の上を撫でられているようで


 下記になると、素手でだっこされて頬擦りされている気分です。


  あくまでも個人的にですが。




    関西弁で喋り歌うやしきたかじんという芸人さんがいますね。




  「東京」というやしきたかじんの歌は


 「あんたとなら いつ死んでも かまわへん」で始まります。



 おなじくたかじんの 


 「やっぱ 好っきゃねん」のサビは


 「くやしいけど あかん あんた よう 忘れられん」


 「あんたやなきゃあかん うちは女でいられん


  やっぱ 好っきゃねん  やっぱ 好っきゃねん 」 


   というフレーズがあり、



 この歌で描かれている女性たちは、


 彼のことに対して文句いいながらも、


 どこかがしっかり彼と繋がっていて


 なんども彼のことを「あんた」という度に


 そのつながりを確認しているような感じがします。


 そして「うちは あほやなあ しゃあないなあ 」という諦観が底にあって。



 彼との別れを決めた時には


 「あんた」ではなくて


 きっちり「あなた」 と呼んでしまいそうです。


 そうでなければ「○○さん」です。


 

 つまり彼女が、彼のことを「あんた」と呼んでいる限りは


 二人の関係は、まだなんとかなるという感じがします。




 ああ、すみません。:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


 わたし昔、ものすごく「やしきたかじん」好きで


 日本でいたとき一番好きな番組は


 「たかじんのばあー」だったくらいで。


 

 たかじんの歌う関西弁の歌詞にうっとりして


 「あんた」であらわされる世界に嵌っていました。



  今は、あんまりそうは思いませんが。



 

  



 そういうコテコテの関西地方の言語世界に長くいて


 それを悪いとも恥ずかしいとも思ってなかったので

 

 なんだかやっぱり今でも


 

 「あなた」 という言葉を聞くと、


 ものすごーく 相手との距離が遠ざかるような気がしてしまいます。



  こんな田舎もんの私が、


 進学就職で関東に出て行っていたらきっと


 「東京の人間は言葉からして冷たいような気がする、、、」と


  涙こぼしていたような気がします。



 韓国にすむようになった日本人から


 「韓国の人間関係の距離の近さ」に疲れるという話をよく聞くのですが


 私の場合は


 

 あまりその部分で葛藤を感じませんでした。



 もともと日本でもものすごく濃い人間関係の家庭で育ちました。


 父親が長男だったので、叔母、叔父がまわりにわんさかいて


 商売柄、家には朝から晩までお客さんが往来してました。


 うちに来た人に


 「いっしょにご飯食べていきなさいよ」 というのが


 特別なことではありませんでした。



 いつも大人数の食事になる我が家では


 やたらと「鍋物」の登場回数が多く


 皿とお茶碗と箸さえあれば、


 少々人が増えても別に


 困ることはありませんでした。



 だからよく韓国人に


 「日本人は冷たいから、人を家に招かないらしいけど?」


 といわれると


 「最近の韓国人の方がガード固いんじゃないですか?


  こっちの方が冷たいですよ」 


  と返します。



 同じ日本人でも育った地域や家庭環境によって、


 ものすごく差異があります。



 私は コテコテの関西圏→韓国というルートで韓国生活を始めたので


 あまり葛藤がなかったのかもしれません。



 スマートな関東圏→韓国という方はちょっとたいへんかも


 そこでですね!


 これから先、韓国に移住しようかとでもいう方は


 関東→関西圏での一時ステイ→韓国(それも釜山くらいからはじめる)


  というのが


 一番葛藤のないコースではないかと思ったりしました!