こんなこと、あんなこと

のりこののりの字 典子さんの武勇伝2012.1.29

백강 문정사랑 2013. 9. 13. 10:52

 徳島紀行、まだあげてない記事があるのですが

  昨日笑っちゃうことがあったので

 

  忘れないうちに書いてしまいます。



 

  周囲に「のりこ」さんという名前の女性はいませんか?

  

  私の年代(もろアラフォー)には


 

 特に多いような気がします。



 

  韓国にお嫁にきても


 

  「のりこ」さんという人には縁がありました。


 

  とにかく多い名前のようです。



 

 

  同じのりこ でも 「紀子」 「規子」 「法子」 「則子」 「徳子」 と


 

  いろいろありますね。



 

 私の知り合いの「のりこさん」は


 

  「典子」と書きます。



 

  その「典子」の「典」の字を説明するときに


 

  なんといって説明するでしょうか?



 

   典子さんご本人はこう言いました


 

  「私の典子の字はね!

  

   モデルの典なんだって、うちの夫のお兄さんがいうのよ」



 

  モデルの典?


 

 なんだそりゃ?


 

 と首をかしげたのですが


 

 つまり「典型的」 という言葉が表すように


 

   あるべき形をしめす「典」だ ということを


 

  ご親戚は言いたかったのでしょう。




 

  「モデルの典」の説明に「典子さん」は


 

 とても気分よく満足しているようでした。



 

 それなのに、そこに居合わせたもう一人の日本人女性が


 

  こともなげに


 

  「ああ、 香典の典ね!」



 

 と言い放ってしまいました。



 

   「香典」という言葉のイメージはすごく強烈で


 

   「モデルの典」のイメージは、


 

  ふうっと飛ばされて


 

   ひらひらっと 窓の外に落ちていっていって


 

 誰かの足で踏みつけられしまったかのようでした。



 

 それくらい 「香典」って漢字、イメージが迫ってきませんか?



 

 私はこれから先、絶対に「典子」さんの名前の漢字を忘れないと思います、、、

 

 

 

韓国に住んでいる日本人にもいろんな人がいますが


 

 先の「典子」さんは、とてもスペシャルな人です。(香典の典子さん)



 

  この方はとてもとても忙しくて


 

  近所に住んでいながらも


 

  私は一年に一度会えるかなのです。


 

   しかし会うたびに、強烈な印象を残してくれます。



 

   典子さんの言ったことで、「典子語録」を作ってもいいくらいです。



 

  例えば、



 

  私が


 

 「それじゃもう、ほとんど風前の灯火よね」 と言った時


 

 「風船のともしびって何?」



 

 と聞き返す典子さん。



 

 (典子さんは「風前の灯火」という言葉を日本で耳にしたことがないそうです)



 

 また、我が家に西洋人の英語の先生が遊びに来ていたときのことです。


 

 たまたま同時にうちに遊びに来た典子さん。


 

  

  典子さんが英語の先生に


 

   「 かわいい!」 


 

 と褒められたので、


 

  典子さんは 彼等に「ありがとう」と言いたかったらしいのですが


 

  思いつかなかったらしく


 

 「えみこさーん 、英語でありがとうって何だったっけ?」



 

  と周りがドン引きするようなことを、平気で聞ける典子さん。



 

  また、先日は典子さん


 

 「わたし、歴史とか弱くって


 

   豊臣秀吉 とか 徳川家康 とか あと誰だっけ?  (おそらく織田信長


 

  全然順番が分からないのよね」


 

  

 「!」



 

 聞いてみると、典子さんの日本の実家は


 

 大阪城のすぐ側、 


 

  淀君が秀頼と自害した場所であろうと伝えられている場所が


 

  実家のすぐ近くにあるそうです。


 

 

 淀君などの言葉も出てこなくて


 

 豊臣秀吉の奥さんだった人、、、、でも自殺


 

 ということで、 ああ淀君かと推測しました。


 

 

 当然関が原の戦いに関する詳しい事情も「?」



 

  「典子さん、歴史を知らなくても生きてはいけるけど


 

  やっぱり、 その三人の順番くらいは 覚えておいた方が


 

  いいと思う。


 

  織田信長 の次が 、豊臣秀吉で、 その次に 徳川家康よ。


 

  徳川幕府を開いたのが 徳川家康だから


 

  この人がラストになるのは、大丈夫だよね。


 

  その徳川時代を開く事前の戦争が関が原の戦いだよ。


 

  あとの二人はね、 織田信長の家臣が 豊臣秀吉だったのよ。」


 

 と説明した。



 

   典子さんは 足軽時代の秀吉が 織田信長の下足番をして、、、 みたいな話を


 

 小さいころや学生時代に聞いたことがないのかもしれない。




 

 とにかく、「典子さん」は、そういうすごい発言をどんどんするのだけど


 

  私は典子さんのことを


 

 「おバカさん」 だと思ったことは


 

 ホントのホントに一度もない。


 

 典子さんは、あまりそういうことにこだわらないだけである。



 

  典子さんは旦那さんの農業を朝から晩まで手伝っている。


 

  よくあれだけ手伝えるなと思うくらい。


 

  だから典子さんの顔はいつも真っ黒に日焼けしている。



 

  ご主人は大阪出身の日本の女性に


 

  朝から晩まで農業手伝わせちゃって


 

  「うちの奥さんにはホントに申し訳ない、すごくありがたいと思ってる」と口にする。


 

 

  典子さんは、一年中、冬を除いてほとんど農作業に出ているが


 

 そのことで


 

 「体が疲れちゃったー!、もうフラフラ 死ぬー」


 

 くらいのことは言っても


 

  ご主人に対して、何かの愚痴を言ったり不満を言ったりしているのを


 

  一度も私は聞いたことがない。


 

 

 いつも 「あははは」


 とよく笑っている。 この人と喋っていると


 うちの子たちが


 「おかーさん達、笑い声がうるさ過ぎる!!」 という。


   

   とてもすがすがしく気持ちの良い人である。


  同じように農業をやっている韓国人達にもとても受けが良くて


 「気さくで気持ちのいい日本人嫁」と言われている。


 

  10年以上韓国で農業に従事している日本人主婦。


  典子さんには日本語でしゃべる機会があまり多くないから

  

  韓国語がすごく現地人化している。


  多分典子さんのことを日本人だと気づいてない韓国人もいるはずだ。



 韓国の多文化政策で


 外国人女性が韓国に適応するためには


 韓国人と同じように暮らせ みたいな指導がされるときがあるが


 もう典子さんなんか韓国人の上を行ってる。

 

 いまどき、旦那の農業を朝から晩まで手伝うような韓国人嫁がどこにいる!

 


  こんなすごい人が、 


  「ありがとうって英語でなんだっけ??」 といっても


   別にいいんじゃないでしょうか???


 

   英語でありがとうって言える人はどこにでもいるけど


  韓国の昔風の農業を朝から晩まで、ご主人についてできるような


  すごい人は、きっと100人に一人もいないと思うから。




 私は典子さんをみるたびに


 この境地まで私はとても到達できない、、、、


 すげえなあ 典子さん と思うのである。


  韓国に嫁いで、その地の土となり塩となりって


  なれねーよ!!!


   と、わたしなんかはいじける。


  私にはムリ!


 何にでも向き不向きが在るんだって。



  「典子」さんを目指しているわけではないけれど


 決して人の到達できない高みにまで上り詰めている「典子」さんを


 見るたびに、なんだかありがたいものを拝んでいるような気がして


 「典子」さんに会えると、

 

 「お目にかかれて光栄です」 という気持ちになるのである。


   ありがたい「典子」さんなのである。