ちょっと前に購入したこの本、
「子育てに必要なことはすべてアニメのパパに教わった」を
最後まで読んでみました。
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- 子育てに必要なことはすべてアニメのパパに教わった
柳沢 有紀夫
- 子育てに必要なことはすべてアニメのパパに教わった/柳沢 有紀夫
- ¥1,260
- Amazon.co.jp
この本には
アニメ界の誰でも知ってるパパたちの中から
12人のパパたちが選ばれて登場します。
それは
「巨人の星」の父ちゃんだったり、
サリーちゃんのパパだったり
ムーミンパパだったり、
クレヨンしんちゃんの父ちゃんだったり。
あ、マスオさんや、アシベの父ちゃんもいます。
パパじゃないんだけど
お父さん的役割をしてるということで
妖怪人間べムとか、ポケモンのオーキド博士も入ってます。
さて、このパパたちの子育てから
私たちが学べるもの
真似できるところはどこなのか?
どこがこのパパの子育てのチャームポイントなのか?
ということが気になるのですが、
著者の柳沢さんという方は
「子育て」のために、10数年前家族で
オーストラリアに移住しちゃったような普通じゃない方です。
当時、それくらい
「育児に本気な男」なんて
周りに全然いなかったそうです。
そりゃそーだ!
今や「イクメン」(育児するメンズ)
という言葉も出来て
ようやく社会でそういう男性に
光が当たり始めてますが
現在だって、「イクメン」と「イクメンから遠い男性」
どっちが多いかというと
そりゃ、どうしたって後者が多いでしょっ。
「当時子育ての見本になるようなものがなかった
だからアニメのパパたちの子育てを参考にした」
という
著者による書き出しを読んだところで
あれ!これって、「男の育児のヒント本」なんだ。
ママの私が、この本にどれだけ
共感できるのかなあって
一瞬気持ちが遠くなりました。
ママ視点で、こういう本読むと
「あーあ、うちの夫も、こんな風に子育てに
ちゃんと関わってくれたらどんなにいいか」
とノレない気持ちが先立って、横目でみちゃうかなと。
どんなもんだろ、、と思って読み始めたのですが、、
これが、、
ごめんなさい!
私の先入観だったわ!考えが狭かった!
ママが、とかパパが、、とかそういう枠を超えて
「子供を育てる側に立つ人としての話」が
たくさん詰まってました。
とくに私が「がーん!」となったのが
「天才バカボン」のパパに関する部分でした。
バカボンのパパって、、、
こんなすごいパパだったのね、、、、
知らんかった!!
著者が指摘する
バカボンパパの素晴らしさの一つは。
「人生は楽しい」ということを
身をもって伝える
を彼が実践していること。
著者はこうかいてます。
「私が子供に教えたいことは
いろいろありますが
その一つに
『人生は自分の力で楽しく出来る』というのがあります」
そして作家であるからこその実感が続きます
言葉ではそういうことは
なかなか伝わらない。
言葉は弱くて脆いから、
いつも、言葉は嘘偽りと背中合わせだからこそ!
親が態度と行動で示す必要がある!
という話になります。
それを実践して
楽しく遊んでばかりのバカボンパパ
だけど、ある日
ある自殺者をパパが
助けたエピソードが続けて紹介されています。
釣りをしてたパパの釣竿に
偶然掛かったのは、
会社のお金を盗まれたことを苦にして、
死んでわびようと、
川に身を投げた男性でした。
パパは
「バカもーん!死んだらおしまい
くよくよすんじゃなーい!」
と怒鳴って
生きてることの素晴らしさを彼に説教します。
なんと川底から、お金の入ったカバンが見つかり
彼は「死ななくて良かったあ!」
あたらめてお礼に参ります!
ありがとうございます!
と感謝する男に
バカボンパパは
お礼ならもう終わってると断ります。
だってさっきありがとうって
言ったでしょ。と!!
おお!なんというフトコロの広さ。
カッコいい~ ヽ(゚◇゚ )ノ
すごい~!
バカボンパパって
こんな男前のパパだったのですね!!
子供のときは全然気がつかなかった!!
それを見ているバカボンの目は当然
「パパスゴーい!!」 です。
バカボンパパのすごさは
これで終わりじゃありません。
パパの口癖は
「これでいいのだ!」
彼はいつも最後をこれで〆ます。
バカボンは一人っ子じゃなくて
超天才で美男のはじめちゃんが下にいます。
でもパパはゼーッタイこの二人を比べない!
バカボンに
「お前は弟と違ってデキが悪い!
もっと勉強しなさい」とか言わない。
(まあ、そんなこといえる自分ではないことも
分かってのことでしょうが、、、、)
「兄弟を比べない」
「姉妹をくらべない」ということ
私はこれを昔、親として当然!とか軽く思っていました。
でも自分が三人の子供を持ってみて
口で言うより
難しいってことが
ほんとによく分かりました。
口に出さなくても、子供は鋭いので
「おかーさん、今僕のことバカだって思ったでしょ!」とか
言われてウッとなったことも、、ごめんごめん。
パパは自分のことも「これでいいのだ!」
当然我が子ハナタレバカボンのことも
「これでいいのだ!」
なのですから、
これは、子供の立場からしたら
こんな親、どれだけ気が楽で
ありがたいことでしょうか!!
期待されないことも、辛いかもしれませんが
子供にとって能力以上のことを
望まれて「もっと頑張れ!」「もっと頑張れ」と
追い立てられると、
「つまり僕が
今のままじゃ
ダメだってことだよね、、、、」
と責められているようでもあります。
ありのままの僕を
みとめてくれない、、、、、
その上、兄弟に
やたら出来のいいピカピカのがいたりしたら、、、、
すごーく!いやですよね。
社会では、何かの基準でもって
人は査定され、能力や資質で分類されます。
それが適所適材を計るための社会の役割の一つです。
それがないと社会も上手く動きません。
しかし!家庭までが!
能力基準で子供を判断するようになったら!
家庭の中にまで、社会の判断基準が侵食してきたら!
家庭は子供にとって
「素の自分を出せる場所」ではなくなってしまいます。
家出したくなります。
親の見えないところでのガス抜きが始まります。
とくに私の住む韓国というのは、
すごい数の親が、
家庭で子供に「もっと頑張れ!」「もっと頑張れ!」と
追い立てている国です。
ちょっとの時間も「ぼーっとさせないように」
塾の予定を詰め込んだり、
移動の時間が惜しいから
家庭教師をかわるがわる家に呼んだりします。
「手の入った」人工美をやたらと褒める
今の韓国人パパママにとっては
「ありのままのキミ」は
それほど価値があると思えないようです。
小学生女子に二重手術させるどころか
赤ちゃんのときに
目の端っこを切開させるような人がいます!
韓国で英語学ばせるのは
能率が悪いわっと
思ったママはパパをおいて
「送金よろしく~」と
子供と留学先に飛んでったり!
パパの調子が悪くなろうとも!です。
余裕のあるお家ならともかく
状況的に、経済的に無理無理だと
分かっている家庭も
そういう方向性に向っているのを見ると
その家庭の親が
実はココロの中に
自分に対する欠落と劣等感を抱えている場合が多い。
とくに私なんか
現在韓国の地方在住ですから
それをすごーく感じます。
「ダメな自分」の劣等感に苛まれている人たちが
韓国の田舎に流れてきて吹きだまっている。
韓国の中央と地方の格差は、日本よりずっと大きい。
「オレがもうちょっと英語ができたら、、」とか
「私に学歴がないからこうなった、、、
子供だけはそういう目にはあわせないように、、」
「私がブスだから」
「おれが背が低いから」 とか
韓国人たちこの人たち自身も
「これでいいのだ!」と
自分を認められなかった人たち
親に認めてもらえなかった人たちが多いようです。
世代的に余裕がなかったという理由もありますが、、、
自分に「これでいいのだ!」
が言えない人は
人にも「それでいいのだ!」
と言えない。
そうすると、、どこまで行っても
終わりがありません。
子供が、有名大学に入っても
やたら大きな会社に入っても、、、
「これでいいのだ」はやってきません。
韓国の有名大学で、自殺者が相次いで社会問題になったのが
たしか去年の暮れのことでしたっけ。
そしてそれに続いて韓国の校内暴力問題が
年明けて一気に表面化しました。
こちらでも紹介しましたね。
あのカイストの自殺者の数!
せっかく韓国の名門大学に入ったのに
バカボンパパに叱り飛ばされそうです。
ばかもーん!死んでどうする!と。
日本のアニメは
韓国のテレビ局に輸入されることが多く
吹き替えで多くの作品を楽しむことが出来ます。
赤塚不二夫先生の作品で
たしか六つ子の兄弟の話
「おそ松君」は、韓国のテレビでみたことがあるのですが
「天才バカボン」は私の記憶にありません。
もしかして韓国でも放映されたかな、、、
ご存知のかたがいらしたら教えてください。
パパの「これでいいのだ」が
当時の韓国人のメンタルに合わなかったかなあ、、、
バカボンの普段着からして着物だし。
私は、ここに登場したパパたちの中で
ベストパパを選ぶとしたら
迷わずバカボンパパにしちゃうと思うのです。
「背中で語るパパ」
「子供を谷底に落とすことで育てるパパ」
「子供に自分で考えさせるパパ」
いろ~んな魅力的なパパが出てくるのですが
自分のパパになってもらうなら
絶対「バカボンのパパ!」
だってこういう人がパパだったら楽しいし
楽なんだも~ん!
最初は「ママだからノレないんじゃ、、、」とか
うっすら思ってたくせに
最後には、ママなんて立場は忘れ
自分が子供に戻って
すっかりすっぽり
本の世界に入ってました。
夫にするとしても悪くないぞ。
バカボンのパパって。
そういえば
えみこの夫は実にバカボンパパに近いメンタルをもっている、、、
だから10年以上も夫婦生活が続いてたか、、、
本日は彼は「山に薪を集め」に行っております。
あ!山から帰ってきました。 外で熊が動いたような気配が!
この本のラストの著者のあとがきは
2012年7月 とにかく楽しむのだ。
それでいいのだ。
で〆られています。
子育てのために
オーストラリア移住した著者にとって
いまや、子育てといえる時期は
終わりに近づいているそうです。
それでもやっぱり
「楽しむ」ことが一番である!
と言ってしまうのを見たとき、
子育て真っ最中の私たちも
ちゃんと「楽しんでるかな?わたし」を
確かめながら走った方
がいいのだろうなと思いました。
別の観点での話が、まだあるので
もう一篇書かせてもらいますね~
本日は日曜ですが
子供たちにはお友達が遊びに来てて
勝手に遊んでくれてるのです!!
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