발효이야기(発酵の話)

酒造りと農業を楽しむご夫婦(1)

백강 문정사랑 2010. 4. 5. 23:59

 私の住む町の郊外に3年前、やはりソウルから降りてきたご夫婦がいる。

 
 ソウルでは書店をいくつか経営していた方で、年齢は50代半ば。
 彼らはこの町の廃校になった小学校を買って、内部を改築利用し、
 校庭内にも別に家をたてて素敵に暮らしている。
 
 ここのご主人がうちの夫の母方のいとこであるという縁で、時々おうちに遊びにいく。
 うちの子達はこのお家に行くのが大好き。

(つつましく生きている我が家とはちょっと違う豪華なおうち)
 

 

 以前営んでいた書店は他の人に売ってきたらしいが、権利その他で
 生活するには十分なお金が毎月入るので、
 見た目にも実際にも優雅に暮らしている。

 
 校庭のあちこちにいろんな植物が植えてある。

 

 ただの楽しみのための園芸ではなくて、かなり実験的にやってる。
 土壌のペーハーがいくらじゃないと、これは育たないとか、
 最高温度がどうだとか、湿度がどうだとか、ものすごく勉強して栽培している。

 
 だから都会から降りて来てまだ3年なのに、この人の作る唐辛子は
  ここらへんの農家の作る唐辛子よりもいいものが出来る。(しかも無農薬)
 
 
 
  もともと博識な上に、
 農業を本気で勉強してやっているので
 出来てくる作物がすごいのだ。
 
 この人の口癖は
 
 「最高の喜びは学ぶ喜び」
 
 つまりこの廃校は彼にとっては実験場なのだ。
 

 

 そしてここの奥さんはというと、料理の研究家である。
 
 この町の特産品にブラックベリーがある。(ポップンジャ)
  自分の家で砂糖漬けにもするし、焼酎をそそいで酒にもする。
 
 どこの家や店に行ってもある。
 
 しかし、この奥さんお手製のエキスをいただいた時にはびっくりした。
  他の家で出されたものと全くレベルが違うのだ。
 
 砂糖の甘味が、全く別の甘味に変化している!! 
 甘いのに甘くない。すっきりとしていてべたつかない、
 世の中にこんな甘さがあるんだとびっくりした。

 
 奥さんの解説によると、

きちんと発酵させると糖というのはこういう風に変化するんだそうだ。
 
 だから量とか時間とか温度とかを知らないで

ただ果物に砂糖や酒をぶっ掛けるだけでは
 だめなんだと教えてもらった。
 
 ちなみに私がいただいたのは三年ものだった。
 
 
 こういうインテリお金もち夫婦が親戚というのは
  ありがたくもあるのだけど、それほど近寄らず、

たまに近所を通ったときに顔を見に行くくらいの仲だった。
 
 
 先日、たまたまお邪魔したときに
 日本語で書かれた書籍がいくつかあったので
 読ませてもらえないかと頼んだのがコトの始まりだった。

 
 ほとんどが醸造に関する専門書だ。
  大学のテキスト、酒造会社の従業員教育用。
  本のあちこちにびっしりと韓国語が書き込まれていた。
 
 
 ご主人は日本語はできないけど漢字が読めるから、
  本は難しければ難しいほど理解がしやすいらしい。(論文とか簡単らしい)
 
 しかし平易なエッセイになるともうどこで切ったらいいのか分からなくなって
  全然だめだという。

 
 なぜかこの人の本棚に吉本ばななの「ベリーショーツ」いうエッセイがあった。
 内容は、ばななさんの子供さんにまつわるお話がたくさん入ったものだ。
 「昨日、ウンチをしていたのでおしめを替えようと思い逃げ回る彼をむりやり」
 みたいなもので、何故これがここに?というような違和感を醸し出していた。
 誰かにプレゼントされたらしい。

 訳しても彼の役にはあまりたちそうもない。
 私がもらってしまおう。

 
 
 結局それで酒の醸造に関する本をエッセイだの専門書だの、その中間をふくめて
  10冊くらいどさっと渡されて、
 
 「ああ、よかった、近くにこういういるんだった。ぜひ頼むよ
 文章の横に韓国語訳をつけてほしい」
 

 
 今は、特に仕事もしてないしいいですよ、と言って引き受けてきたのだが
  全く専門外の内容を10冊、、、。(大体私の専門って何?)
 
 とにかくその日から読んでは書いて、読んでは書いてを繰り返しているのだが
  全然はかどらない。
  向こうは急いでないというが、一体いつになるやら。