夫の親戚の家から、山ほど発酵に関する書籍を抱えて家に帰った。
20冊以上あった。
一通り醸造と発酵について勉強してみると
これは相当面白いものだった。
酒、しょうゆ、みそ、キムチ、チーズ。これらができる仕組み。
それを可能にする微生物のはたらき。
お酒の中でも、日本でいえばドブロク、韓国ではマッコリ。
これは同じ発酵方法で作られたお酒だ。
温度と時間と方法さえきちんと守れば家庭でも作れるものだとわかった。
ただ発酵方法は同じでも麹(こうじ)の種類に違いがあるらしい。
ドブロクは米をばらばらにして菌をつけるばら麹。
韓国は小麦粉を丸めてそこに菌をつける餅麹、という方法をとる。
このドブロクを作れるようになったら、
清酒づくりにも挑戦してみようという本もあった。
お酒というのは、ブドウを放っておいたらいつの間にか酒になってた、
みたいなのが始まりらしく
しかも酒を放っておいたら、
酢になってたということもときには起こる。(酢酸発酵)
キムチがすっぱくなるのも同じ理由だ。
(こちらは乳酸発酵からの移行だが)
ブランデーとウイスキーの違いは、まず原料のちがい。
ウイスキーは穀物が原料、かつ蒸留の過程を経る。
ブランデーはワインを蒸留したもの。
リキュールというのが、ハーブや果物のエキスを移しこんだ酒。
ラムの原料はサトウキビの絞りかすだとか
そういうこともかなり詳しく書いてあった。
私は酒を飲まないのでホントに無知なのだが
日本では酒造というのは許可制、免許制で自家醸造は処罰の対処になるらしい。
韓国での自家醸造は処罰の対象にならないはずだ。
韓国だけではない、自家醸造を禁止している国なんか日本しかないらしい。
かといって日本で今、自家醸造すると、すぐさま逮捕されるかというとそうではないらしいが。
明治時代くらいにはかなり厳しく取り締まられたそうだ。
しかし農家が米を作ったら作った米で酒を造りたくなるだろうし
実際それまで伝統的にやってきたことを禁止されてしまい、
農民達は密造しては取り締まられての繰り返しだったらしい。
この酒税法という法はあちこちで相当批判されているらしく
柳田國男なんかははっきりと農民の酒造は農業行為であり
製造業と区別されるものだという文章を残して批判している。
自家酒造にこだわる人の本にはなぜか根底にそういうスピリットが流れていた。
酒造というわれわれの権利を何故取り上げるのか
自分が飲む酒をなぜ自分で作ってはならないのか
これは国家権力の横暴である。
われわれが現代社会で自由に生きられないのは、
本来自分でするべきものを
国家権力の名において取り上げてしまった上で、その中から選べという
条件つきの自由しか与えられないからである、というような。
こうなってくると酒造の本というより思想書だ。
まあ、そんな多種多様な、酒造だの発酵だの醸造だのを
いきなり勉強させてもらっている。
面白いといえば面白いが、私は三児の母で仕事もしてるので
微生物の世界にまでうっとりしている暇はないだけど。
ゆっくりと自分も勉強しながら
韓国語訳をつけていこうと思う。
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