五月の連休に、ソウルから、お子さんたちを連れてわが家を尋ねてくださった方が
書いてくださった内容です。
ご自分のブログにアップした文章を転載してもいいと許可をいただきました。
ありがとうございます!
この方は韓国在住15年。ものすごい読書家で、歴史にも造詣が深く、また自分なりのものの見方を持ってる方です。
いわゆるインテリ日本女性なのですが、
そういう方がコチャンのコインドルを目の当たりにすると
どういう感想をもたれるでしょうか?
いえ、感想なんていう枠はとっくに越えてしまってこれはもうすでに評論の域に入ってしまってます。
歴史の遺物としてのコインドルを越えて、そこに日本と韓国の歴史的な関係までを
感じて文章にしてくれました。
後半部分では、韓国が天、日本が地の象徴であるという前提に立った論旨が展開されますが、
これに関しては、異論を挟めるひとがいるでしょうか?
韓国に住みながら、韓国人の主体性に圧倒される毎日です。
目の前の韓国人の夫の発想に絶対に日本人の自分の中からはでてこないものを感じて生きています。
韓国で日本人として生きていくにあたって、在韓日本人がどういうスタンスで生きるか?
どういうアイデンティティをもっていきるかというのは実に大きな問題です。
私はソウルでこの方とおつきあいさせてもらいながら、
本当に多くのことを学ばせてもらいました。今でも大好きなオンニです。
私はこの方の文章を読むとわくわくします。
どうぞ一緒に楽しんでください。
先日、コチャンの「コインドル」について書きましたが、
お子さんが小さくて、まだ小学校の社会の内容などに接していない方は、
「コインドル」が何か分からない方も多いと思います。
これは、いわゆる「巨石遺跡」の一つで、
世界的にはイギリスのストーン・ヘンジ、イースター島の巨石などが有名ですが、
実は、韓国の「コインドル」巨石文化の中でも、「世界一」なんです。
私は先日、歴史の講義でこの内容を初めて知りましたが、
コチャンで大量のコインドルを目の当たりにして、その世界一さを実感しました。
まず、コインドルというのは、基本的には巨石でつくった墓で、
さらには祭祀を行ったというふうにも言われています。
まるでテーブルのように、岩で足をつくった上に巨大な岩盤を乗せたスタイルが
北方系といって、主に韓半島の北部に多く分布。
足のない大きな岩が地面にそのまま乗っかっているスタイルが南方式で、
コチャンを中心として、韓半島南部に多く分布。
大きさは、高さ数メートルの巨大なものから、いろいろですが、問題はその数。
なんと韓国には、1万個以上のコインドルがあり、
世界のどこを探しても、コインドルがこんなにたくさんある国はないそうです。
そのうちの2千個以上がコチャンにあり、
うち447個がユネスコ世界文化遺産にしていされています。
実際には、コチャンだけで2万個以上のコインドルがあったそうですが、
農地改革などで大半が処分され、現在残っているのが約2千個とのこと。
韓国以外の国では、巨石文化が見られる国自体もそんなに多くはなく、
さらに、それらの国にも数えるほどしか遺跡は残っていないそうです。
そういう中で、なんと1万個の巨大遺跡が韓国に集中しているというのは、
考えられないくらいすごいことなんですよね。
このコインドルがつくられたのが紀元前10世紀から頃から
紀元前後にいたるまでとされていますが、
その当時の韓半島は青銅器時代。
その時代にこのような巨石を山から運び出し、
まずは柱となる巨石を土に立てて、その柱の上まで土を積んで、
丸太をレールのように敷いて、
小高く積んだ土の上まで巨石を引っ張り上げて柱の上に乗せ、
最後に周囲の土を片付けるというたいへんな労働を、
これだけの数させることができたということは、
韓半島、特にコチャンを中心に、
高度で強大な文化が存在していたということが分かります。
皆さん、知らなかったでしょう? 私も、歴史の講義で初めて知ったんです。
(「とっくに知っていた」という方がいたら、ごめんなさい)
韓国って、実はすごい国だったんですね。
正直、あまり韓国をすごい国だと感じてない方って、けっこう多いのではないでしょうか。
でも、韓国って、こんなふうに古代から
ものすごい文明が発展していたところだったんですよ。
金属活字だって、一般にはグーテンベルクが世界で
初めて発明したとかいうことになってますけど、
韓国のほうが先につくってますしね。
また、高麗時代の仏教、朝鮮時代の儒教のように、
「思想」を国の柱として建てている国であり、
正直、日本とは精神性、思想性が違います。
日本も武士精神や仏教、儒学精神、それ以前に神道という世界があるのですが、
国の柱となる思想というのは正直、持てませんでした。
まあ、それは、韓国と日本が男性的国家、女性的国家という役割があったことで理解できるような気がします。
男性はあくまで思想、理論ですし、女性は「許容」ですから。
何でもありで、広く受け入れるのが女性の特徴なので、
日本には一神教なんて入りようがなかったのだろうと思います。
男のほうが、実は、やっぱり天にまっすぐつながれるんですね。
私たちには見えないものが見えているのが男性です。
でも、その分、女は気楽なんですよ。
見えてないし分からないから、責任あまりないのでね。(^^)
私はつくづく、男は「天」で、女は「地」だなあと思うんです。
どっちが優れているという問題じゃなくて、
「天」の人は「天」しか見えなくて、「地」の人は「地」しか見えないんです。
双方が、自分の観点でみると、「天」は「地」がまったく理解できないし、
「地」はまったく「天」が理解できません。
でも、どこかで、「ああ、『地』という世界があるんだなあ」と気づいて、それを理解しようとしだし、
逆に、「ああ、『天』という世界があるんだなあ」と女性もその世界を知ろうとすると、
互いに近くなって、だんだん天と地が近付いて
「違い」を感じなくなり、
しまいには融合して天と地もなくなり、
「一つ」という感覚になります。
天も地の要素を得て人格が育ち、地も天の要素を得て人格が育ち、
それまでには考えられなかった「人格」が自分の中に芽生えます。
これが男と女が一つになる意味だよなあ~、とか思います。
まあ、いいんですけど、韓国と日本は同族ですけど、
ルーツ(種・原因)は韓国にあり、日本は、より結果的存在。
男女でいえば、韓国は天であり、日本は地。 なので、
違うのは当然で、でも分かり合えるし融合はできると思っています。
私たちにできることは、この国の「天らしさ」というか、
「天の人らしさ」を先駆けて理解して、地の国、日本の人たちに、
「天の人たちのものの見方や感じ方」を教えてあげることではないでしょうかね。
そうして逆に、天の人たちに「地の世界」を知らせてあげることも必要でしょう。
そういう意味では、私たちが韓国で生活している日常のすべてがその役割を果たすことであり、韓日文化交流などを展開していくことも、すべてそういう意味があるだろうということです。 まあ、あくまでも私見ですけどね。(^^) でも、そんなふうに思って生活すると、誰よりも自分自身にいいことがおこりますから。
というわけで、コインドル。
夏休みには、ぜひ御家族で出かけてみられたらいいかもしれません。
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