えみこ書評(2010年以降)

犬の視点(星守る犬)2011.7

백강 문정사랑 2013. 9. 5. 15:55

我が家の飼い犬 クララの運命はもはや風前の灯火だった。

 夫が「家の中で犬を飼う」ということに、これ以上我慢が出来ない!


 

 とキレた。


 

 しょうがないので、他所に送ることにした。





 

 もともと可愛い顔をしているし、人気種なので


 

 ちょっと探せば、「飼いたい!」という人はすぐでてきた。


 

 
ソウルの教育ママ


 

 ところが、いざ、クララを手放す日になると


 

 娘がぐすんぐすんと泣き出した。



 

 その泣き方があまりにも、悲痛で夫は娘可愛さに


 

 「やっぱり飼っても良いよ、、、」と自分から折れた。



 

 という顛末があったころ、わたしの手元にこれが届いた。



 

 
ソウルの教育ママ



 

  日本在住の皆さんは、きっとご存知ですね。


 

 西田敏行さん主演で映画化されました、「星守る犬」の原作漫画


 

 


 

   これは、犬の視点で、ある家族、そしてある男性を見守る話なんだけど、、、、



 

 犬の話というよりは、、、、     「現代の日本の風景」



 

 それもかなりエグイ。 辛い、悲しい風景を切り取ったものだった。



 

 映画になると 「この夏一番の感動作」って感じになってるのだけど


 

 失業、熟年離婚、娘の非行、幼児虐待、、と書いていて嫌になるくらい


 

 原作の扱うテーマはずっしりと重い。


 

 

  我が家の犬にまつわるお話とは、大分温度が違うようだった。




 

 韓国人の「犬」に対する扱いは、日本の「犬」に対する扱いより低いと思う。


 

 日本で江戸時代に「犬」を傷つけたら罰されるなんて法があったことを話すと韓国人はびっくりする。


 

 そして「これだから邪教の国は、、」とか


 

 いらんことを言われたりする。



 

 韓国でも愛玩犬の人気が高くて、犬を家族にしてしまって


 

 「子供」のように可愛がっている人もたくさんいる。



 

 でもやっぱりまだ韓国では「犬」は「犬畜生」って考えが依然としてある。

 

 ここでは犬が、絶対に人間と同列にはならない何かを感じる。



 

 でも、この「星守る犬」では、


 

 「犬以下」に成り下がってしまったすさんだ人間達の上位に


 

 犬が置かれているように思う。



 

 「犬」に精神性を持たせたのは、もちろん伝統的にアミニズムを得意とする日本ならではの手法だけど


 

高校生の時に読んでた 「動物のお医者さん」 とは、大分違うよなあー。



 

 日本って、いま、こういう国になってしまったのかなあ、 と隔世の感を感じたのでした。