それではお棺がおさまったところで
こんどは上部に土を盛って行きます。
機械と人夫さんで。
遺影の前に、木の棒が一本立てられていますが、
これは絶対抜いてはいけないそうです。
なぜかというとここに「御遺体の頭がある」のサインなので
これが抜けると、お墓の正面が分からなくなるんです。
これは、土饅頭がに植えつけていく芝生。
土つきでこんなにどっさり準備されていました。
かなり こんもりと土が盛られると
親方が中心に乗っかって棒を突き立てます。
その棒に紐を巻きつけ、その紐の先にも棒をつけ
外側の棒をコンパス代わりにして
円の外周を決めていきます。
親方が定めた円の外周にそって下から下から
芝生を貼り付けて行きます。
大めの土が要るところには機械でどさっと。
だんだんと、土饅頭の形が出来てきます。
そうしている間に、時間は12時を過ぎましたので
遺族は傍らで食事をはじめます。
この山の上までえっちらおっちら運んだ食料を広げて
この食事の用意のためには、女性の人夫さんが3人動員されていました。
メインのスープは「ユッケジャン」という牛肉の辛味を聞かせた赤い汁物です。
当日参列尋問客の私には、とても美味しいのですが、
葬祭場の中で、弔問客の接待にずーっと出しているのもこれなので
おそらく遺族は「もうユッケジャンの匂い嗅ぐのも嫌」ではないかと。
すでに誰かが踊っています。
食べ終わった頃には、土饅頭が完成していました。
さて、これから出来上がったお墓の前で祭事です。
もうヒト踏ん張りです。遺族の方。
私は、墓地の手前まで一緒に来ていたけれど、
山を登れない義母のお昼ご飯を用意するために
この時点で山を降りました。
お墓の前の祭事は、そう特別なものは無かったと思うんですね。
自分の過去みてきた祭事に比べて。
遺族がお墓の前でひざまづいて、クンジョルするというのは、もう決まりごとですし。
このお墓の主人となったのは、義母のお姉さんです。
韓国にお嫁にきて、仲良くなった方、縁ができた方が、
一人ずつ一人ずつ、鬼籍に入っていかれることが多くなり、
その方たちの葬礼に参列する度に、なんともいえない気持ちになります。
こういうところに行った後、
「私達のお墓どうしようか? 日本の墓石の下に入る?
それとも土饅頭つくる?それとも、火葬にする?」 という話が夫とでるのですが、
夫は「好きなようにすればいいよ。 だって、先に死ぬのは絶対自分だから。
まあ、俺が死んだら、悲しくてあんた、すぐに後を追ってくるってことは見え見えだから
あの世で住めるようにして待ってる、こっちのことは、ま、よろしく!」 だそうである。
ふーん。 夫が死んで悲しくて死ぬんじゃなくて
死んですぐの葬式と49日とか、一周忌とかの韓国の葬祭準備が大変すぎて
過労で死ぬってのは考えられるな、十分ありうる。
ふんふんと思っている私の胸のうちを夫は知らない。
ともあれ、 お墓の撮影させてくださった義母のお姉さん、ご冥福をお祈りします。
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