田舎の廃校を買い取り
独自に、精力的に韓国の伝統酒研究を続けている李サンフンさん
私の日本語の生徒さんだ。
「ソウルから団体客が来るから、良かったら家族で見学にどうぞ」
と呼んでくれたので、家族でお邪魔する。
ここも、この春から廃校を大リモデリングして、
韓国伝統酒の製造を見学できるように改造してしまった。
すごいよ、ほんとにこの方の熱情!
もともとすごいインテリ。
私の知ってる他の大学教授達より、研究量が断然多い。
時間もお金も惜しまない! 酒研究のためなら。
日本語で書かれた酒の研究書を原書で読むために私を呼んでるくらいだし
将来的には酒関係の資料をあつめた博物館の建設まで考えているそうで、、、 すごい!
勉強の進みがはかばかしくないと
「生徒が不勉強で申し訳ございません。もっと勉強いたします。」 と
言ってくれる。 (多分本気でそう思ってる)
こんな賢い生徒他にいないってば。
今でも韓国で有名なブロガーで、知る人ぞ知る存在だけど
この酒研究所ができたことで、ますます有名になりそうだ。
今回のお客さんは、韓国KBS放送局のPDさんたちの家族だったし。
(そういえば、李さん所蔵の古書籍が、この春、韓国の「お宝鑑定団」の目に留まって
KBSテレビに出演したっけ。 今回の客はそのときの縁かも)
李サンフンさん、あまり有名になりたい人ではないはずなんだけど
この先大丈夫かしら???
お客さんは4家庭だった。 みなさん小中学生のいる家庭。
短時間での酒造りということで「焼酎」をつくる。
焼酎の元になるのは、米をもとにしてすでに発酵させておいた伝統酒。
当然ここであらかじめ作っておいた酒だ。
それを三種類の装置に注ぎ込む。
完全銅製の蒸留器と
半分だけ銅をつかった蒸留器と
上下完全ステンレスのこのタイプの蒸留器
酒が落ちてくる管を冷やさないと、気体が液体にならないので
管のまわりを冷水で埋める。
一般的には銅が最高だといわれてるらしい。
酒の違いの分かる敏感な人には
どの種類の道具を使ったかまで区別できるそうだ。
酒に火をかけて、温度が上昇するのをしばらく待つ。
その間に、酒に関する講義を受ける。
む、難しい、、、、、
これって正直小学生に分かるんでしょうか????
いいところのお坊ちゃん、お嬢ちゃんばかりで、騒ぐ子なんか一人もいなかったけど。
湧き上がってきても、最初の蒸発物は不純物が多いので
しばらくは蓋をどけて、蒸発させて飛ばす。
蓋をして加熱しつづけると
管からポタリポタリと酒が落ちてくる。
こっちにも
最初に落ちてくる酒は、やはり飲用にはせずどけておく。
蒸留がほとんど終わった後の最後の酒も同じ。 飲用にはしない。
ただ酒をつくるだけでは、面白くないので
李さんは様々な漢方薬の材料を用意してあった。
酒が落ちてくる場所にこれをおいて置いたら
どういう色の酒になるか?
まずは
このチチョ(霊之の種類)
これを酒の下において置くと
出来上がった酒にこんな色がつく。
もちろん薬効もある。
赤い! ワインみたいな綺麗な色。
コーヒーも準備してあった。 もしかして、コーヒーリキュールみたいなのができる?
(結局これは使われずジマイ)
昔ディスコと言われていたところで「カルアミルク」ばかり飲んでいた私。
美味しいんですよねー あれ。
あといろいろやったけど、どの焼酎も普通に売ってるものより
キツイ!!((゚m゚;)
利き酒をさせてくれるが、綺麗な色にまどわされてはいかん!
一口でのどがカーっと熱くなる。
ある中学生は気分が悪くなった。
お店での焼酎はアルコールが30%くらいだそうだが
ここで自家製でつくる焼酎は 60%以上だ。
途中の計測では80%のものまであった!
(それは消毒用にまわされた)
理科の実験が進むような感じで、進行する。
こうしてみると、「酒」というより 「化学混合物」。
参加された皆さんはいたく感動され、李さんに厚くお礼を言って帰った。
小学生達は途中から、酒づくりよりうちの飼い犬の「クララ」の方に興味が移り
また「名探偵コナン」好きの小学生達は
コナンのテーマソングを日本語で一曲歌ってあげただけで、
私を「コナンのすべてを知ってる人」 (←大間違い)
だと勘違いし、いろんな質問をしてきた。
「コナンっていつ高校生に戻るの?」「知るか!」
酒つくりにきたんじゃなかったの?
小学生の体験場としては、ここかなりハードルが高いです。
しかも酒づくりで高温の鍋を使うので、
動き回る落ち着きの無い子供なんかが来ると
危険ではないかと。
李さんの性格上、修学旅行コースにしようとか
たくさんの人を招きいれようとは思ってないと思う。
酒造りに関心のある方が来たら良いです。って感じかな。
この酒学校の名前は
「ウリ スル ハッキョ」、直訳すると
「我々の酒学校」 (!)
思わず「同志よ!」って叫びたくなるような、民族精神溢れる名前なんですが。
ウリ という言葉は 「我々」という意味だけではなく
独自のとか、他からはいってきたものではない土着のもの、みたいな意味も含んでいますので
可愛く 「ぼくらの酒学校」 と訳してみました。
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