いまや国民的大人気作家「東野圭吾」の代表作に
「白夜行」と「幻夜」という作品がある。
- 幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))/東野 圭吾
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東野圭吾さんの作品にはいくつかの種類があって
よくこんなに書き分けられるなと思うほどだ。
「白夜行」と「幻夜」はその中の一ジャンルなんだけど
どういうジャンルかというと「ノワール」だと言って良いと思う。
ノワールはフランス語で「黒」という意味
暗黒小説、フイルムノワール、小説、映画の一分野。
人間の悪意や差別、暴力などを描き出している。
犯罪を題材にとった、あるいは犯罪者の視点から書かれたものが多い
Wikipediaより
東野さんの作品の中には、ラストがとんでもなく円満におわる、
涙涙の感動作もあるのだけど、この二作品は
どうにも救いがない。 人間に対する希望よりも絶望が付きまとう。
読後感が悪いというレビューが書評にぞろぞろ並ぶ。
それにも関わらず、これを「東野圭吾ナンバー1!」だと称えるファンも多い。
どちらも日本でドラマ化、映画化された。
これがドラマ版で
こっちが映画で
これは幻夜のドラマ版
日本在住の方には
「そんなこといまさら」な内容だと思う。
こうして海外に住んでて、遅れて、日本のドラマや小説に衝撃を受けて
同じように思ってる人っていないかしら??とネットで探すと
もうそのサイトは閉じられてて、、、、みたいなことがあったりして悲しい。
私は以前「リミット」という幼児臓器売買に関するドラマ (2000年放映)
(安田成美主演・野島伸治脚本)
にあまりもショックを受けて
このドラマに関する情報がほしくてネットをさまよったが
何年も前に終わったドラマについて語り合いたい人はあまりいなかったようだ。
しかし「リミット」が忘れられないという人は、それでもちゃんと存在して
お互いに慰めあったもんだった、、、 そういえば、これもノワール作品だな。
私はもともと「ノワール好き」で日本でいたとき新刊が出るたびに
読んでたのが大沢在昌さんの「新宿鮫」シリーズとか
(でもこれはちょっと明るい)
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馳星周の 「不夜城」

すごい悪女の夏美が出てきます。
- しかし10年以上、日本を離れている間に
- 「東野圭吾さん」というすごい作家が、ノワールの傑作をだしていたのですね。
なんとこの「白夜行」の文庫版あとがきを馳星周さんが書いていて
その馳星周さんの東野圭吾評がなんとも私には胸に迫ってきました。
馳星周さんは「不夜城」の舞台を新宿歌舞伎町にすえました。
犯罪というものから派生する人間のマイナス感情を描こうとすると
それには犯罪が起きても不自然ではない背景が必要だからです。
しかし東野圭吾さんの「白夜行」の舞台は日常です。
犯罪とその心理とを描写するのに、
日常を舞台にしてそれを書ききってしまったのです。
「白夜行」の主人公雪穂。
その悪女度は「不夜城」の夏美を超えているかもしれない。
日常を舞台にして、人間の憎悪や派生する犯罪を
ここまではっきりと描写することができるんだ、、、!!!すごい! と思います。
しかし、東野圭吾氏はますます大人気で
現在のところ、この作品に関して話し合う相手には事欠かないのが嬉しい。
この「白夜行」は韓国でも映画化されたのだけど
あまり話題にならなかった。
刑事役はハン・ソッキュなのに
なんでかな???
芸能ごとに疎い私の眼に入らなかっただけかもしれないけど。
ネタばれ前提で書いていくので、この二作品を真っ白な頭で楽しみたい方は
読まないでくださいね。
この「白夜行」の続編が「幻夜」なのかどうかに関しては
はっきりとした作者からの見解が出されてないが、
そう解釈できるように「幻夜」のあちこちに仕掛けられているので
私はこれを一続きの作品として読んでいる。
ってことで完全に「趣味の読書から派生した話」なんですが
仕事に行かないと行けないので、今日は書ききれそうにありません。
ヨタ話ですが、こういう話になるとマエノメリーになり
いくらでも書けてしまうので、興味のある方は、
今後、題名を読んでからお読みください。
続きを書いていこうと思います。
韓国情報でもなければためになる情報ともとても言えず、
教育情報とはあまりもかけ離れた話です。
ノワールの世界を知ることは人間心理の勉強であり
反面教師だとは思いますが。
えみこです。
(注) ネタばれ前提で「 白夜行」と「幻夜」に関する
あれこれを書かせていただきますので
「真っ白な頭」でこの二作品を楽しみたい方は読んじゃだめですよー!
これ、「ドラマ版」と「小説」は微妙に話が違います。
小説版「白夜行」では、読者の想像に任されていた部分が
映像版では具体的に表現されています。
「白夜行」のヒロイン雪穂は、小学生の頃、
母親に売春させられていたという過去をもつ。
死亡した中年男性の捜査に関わる一刑事が
「雪穂の周辺」に不審を抱き、
コツコツと長きにわたっての調査を重ねていくことで
しだいに明らかになっていく。
小学生の雪穂が
中年男性の相手をしている場面を目撃し
雪穂を助けようと相手の男を刺殺したのは
雪穂の同級生亮二。
その後、亮二は、雪穂の影となり、
雪穂のためあらゆる犯罪に手を染める。
雪穂はその後、自分の母親にも
おそらく亮二と共謀して
何らかの手を掛け、亡き者とする。
そして一人暮らしの
遠い親戚の女性の養女となることに
成功する。
その養母の庇護下、
雪穂は名門女子高に通っていた。
しかし高校である女生徒が、
嫉妬から雪穂を攻撃し始める。
雪穂が養女であること、
生まれが良くないことなどをを暴きたて
雪穂のイメージを落とそうとした。
この女生徒は、
ある日いきなり、婦女暴行事件の被害者となった。
雪穂への攻撃はもちろんのこと、
生きる気力をすっかりそがれてしまった。
これは当然、
雪穂と亮二が結託して起こした事件に違いないが
小説中にはっきりとそうは書かれていない。
ただ、そうわかるようには書かれている。
雪穂と亮二がなんらかの形で
ずっと連絡を取り合い、
雪穂のためであれば、
雪穂に降りかかる障害物を
どんな方法を使ってでも
取り除こうとする
亮二の姿が見え隠れするだけだ。
犯罪を犯してでも
時には人を殺してでも。
無事に高校を卒業した雪穂は、
女子大の英文科に進学し
「社交ダンス部」に入部する。
ダンス部同士、他大学との交流があり
そこには
「いざというとき社交ダンスのひとつでもできないと」と
いう考えを持った良家の子息たちが在籍していた。
篠塚という上級生がいた。
製薬会社の幹部グループのお坊ちゃまだ。
篠塚は、雪穂の目の光に
穏やかではないなにかを敏感に感じ取り
雪穂を避け、
雪穂の友人である江利子と
交際し始めたばかりだった。
ここで雪穂の友人江利子が
また婦女暴行事件の犠牲者になってしまい
自ら退部する。
雪穂は、その後
篠塚の友人である高宮と結婚する。
高宮が結婚式直前に、
別の女性に心を移しそうになるが
何故か、彼女とはすれ違うことになってしまい、
そのまま雪穂と入籍する。
雪穂には何故か
子供が出来なかった。
雪穂は友人の店を手伝うといい
ブティックの仕事を始めたが
それがどんどん軌道に乗り、
雪穂自身が経営者となる。
どういう偶然か、
雪穂の夫の高宮は
結婚前に惹かれた女性と再会し
恋愛関係になり、雪穂に自分から離婚を持ち出す。
雪穂は非常にいい条件での離婚を果たす。
(つづく)
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