えみこ書評(2010年以降)

私の絵本論+ツバメ離乳食2011.12.14

백강 문정사랑 2013. 9. 11. 11:01

わたしの絵本論―0歳からの絵本/松居 直
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 朝、ぱらぱらとこの本をめくっていました。



 著者は日本絵本界の父 「松井直」さん



  この本の冒頭の部分にこんな記述がありました。



  幼児にとって最大の財産は健康と愛情と言葉でしょう。


  いつも自分をしっかりと抱きしめてくれる人がいて


 その肌のふれあいから感じる愛情、


 いつも暖かい言葉をかけてくれる人がいて、


 その言葉を通して感じられる愛情。


 それを十分に感じられる幼児は、その内面に、心の中に


  豊かな人間らしさをどんどん蓄えていきます。


  とくに言葉は大切です。


  私の考えでは、幼児期の教育の中で最も大切なことは


 その子が”耳”から心のこもった、暖かい、人間らしい


 豊かな言葉をいっぱい聞いて育つことだと思います。


 実は現代の幼児に最も欠けている体験は、このことなのです。




   


 松井さんは絵本こそ、その親子関係を構築するのに


 最高のアイテムであるとして


 親子で絵本を読むことを推奨していらっしゃいます。



 私も山ほどの絵本を読み聞かせしてもらって育ちたかった!


 

  はー! 

  

 私の実家は、それはそれは忙しい家で


 起きたら横に親はいないし


 寝るときもまだ親は仕事をしていました。


 ものすごい働き者の親でした。


 70を超えた今でも二人は現役でバリバリと働いています。


  働くおじいちゃん、働くおばあちゃんです。


 


  読み聞かせ??? うーん 縁がなかった。


 自分で字が読めるようになってから、


 どんどん読んでいったと思います。


 私は本の多い家で育ったのではないので、


 図書館の本や友人の家の本を読みました。


 


  しかし私は、読み聞かせのような特別な思い出はないにも関わらず


  なんだかとても親に大事にされたような気がするのです。



  関係の構築は、決して本を通してではなかったようなのです。


  親子関係が良かったからなのでしょうが。


  うちの父は楽しい話をたくさんする人なので


  耳からいろんなものが入ってきたのでしょうが。


  


  でも実家はやたら忙しい家だったから


  特別なにかしてもらった記憶はないのです。


  膝に抱いてもらって絵本を開けてなんて、とんでもない!





  しかしあるとき、自分が幼児期に、


  親との一体感を育んだ出来事の一部が


  一体なんだったのか分かりました。

 


  我が家の子供たちが、赤ちゃんだった頃です。



  帰省して、子供に離乳食を作ってやっているとき


  うちの父が


  「そんなめんどくさいことせんでも、こうしたらええ」


  と言って、


  自分の口にご飯を放り込んで、もぐもぐと噛み砕き


  それを口移しで孫にあげていました。


  「おまえもこうやって育てたから、全然心配ない」


  「!」



  「おとーさん、私が赤ちゃんだった頃に


  こうやって食べさせてたんか?」


  「おう! おまえ、よく食べたぞ!」



  というではありませんか。


 私はツバメの子供のように口移しで


 エサを与えられて大きくなったのでした、、、



  雑菌がとか、感染が、、とかという面でみたら


  非衛生的この上ないのですが、


  こうして育てられても、かなり健康に大きくなっている自分の姿を見ると


  「口移し離乳食」、別に問題ないということで。



   このことを知る前から


 私は自分の子供がこぼしたものとか、


 子供の口に引っ付いているものとかを


 そのまま食べることに全く抵抗がありませんでした。




 韓国の兄嫁たちは


 「とてもそんなことできないわ、、、 


 あんたって昔の韓国のおばあさんみたいな

 

 子育てするわね」と遠い目でみるのですが


 義母でさえも


 「わたしでもこんなことはできん!


  日本のヨメはえらく子供を大事にするんだな!」


  (うちの義母は田んぼに働きに行く日常の中で

   子育てしてたので

   赤ちゃんは、朝オムツを替えたら、晩までそのまんま

   家の中に転がしておいて育てたといいます)




  日本人ママがみんなそうかというと、


 多分そうではなくて、


 子供との口移しにすごく抵抗があると言う声がありますので

 

 非常に個人差があると思います。


 私も「口移し」という行為そのものが良いと思っているのではありません。


 ただ、「口移し」に象徴されるほど、


 幼児期にべったりと親に可愛がってもらったという感覚が、


 なぜかその後自分に安心感を与えているのを感じるのです。




 そして、その行為はどうも遺伝するらしくて


 うちの娘は時々


 自分の口のガムを噛んだ後


 「おかーさんにも味見させてあげる」と言って


 味のスカスカに消えたガムを私の口に放り込んでくれるのです。



 「ありがとよ」


 と言って私は苦笑して受けとります。



 「それ、友達にはやらんほうが、ええで。


  ビックリされるかもしれんから。」



  「そんなことはもちろん分かってる!」と


  娘は言います。


  家庭内コードと社会コードの違いですね。



  でも、私は娘に


  「口移しガム平気な人と結婚した方が


  あんた、気楽に子育てして、気楽に生活できるかもしれんなあ。


   年頃になって、好きな人できたら


   あんた、自分の口の中のガム、その人の口に放り込んでごらん。


   どう反応するかみてみ。」


  「汚い!」とか一瞬でいうようなら、、、、


  おさらばでもええんと違うかなあ、、、、



   なんてことを、


  娘が聞いてなくても、横で私はぶつぶつ言ってたりします。


 


 ああっ!


 格調高い松井直さんの書籍のレビューを書き始めたつもりが


 また、自分のヨタ話に!!


 

 うちの親が「本の読み聞かせ」で私を育てずに


 「オチのあるおもろい話」とか「落語の小噺」とか「漫才」


 ばっかり聞かせて育てたから


 私の書く文章もついつい、こうなってしまうやないかー!!


 おとーさん、おかーさん。


 三つ子の魂100までもやで!!