日曜の午前中に来客がありました。
先日、結婚式を挙げた二人が
遊びにやってきました。
当然二人は韓国人
二人とも30代前半。
先週は、新婚旅行のお土産を持って
寄ってくれたのですが
今週も「こっちにきましたから」と顔をみせてくれました。
一応うちの夫が出会わせた二人なので。
夫がいなかったので私がお相手しました。
新婦さんの出身地は
郡のアサン面というところです。
そこはまさに世界遺産ドルメン「支石墓」の中心地
こんな感じでドルメンがほんとにゴロゴロしてるのです。
なんと彼女のお姉ちゃんが
お嫁に行った先は
和順という地域。
和順もコチャンにならぶ「支石墓」の里なのです。
世界遺産の登録は
その二つの地区の「支石墓」を
ひっくるめてのことでした。
私がびっくりして
「へえ~支石墓の里から、
支石墓の里にお嫁に行ったんだ!
そんなこともあるのね~」
と驚いていると
「私住んでいる所は確かに、
アサン面なんですけど
支石墓のこと、実は、なんにも知らないんです」
と恥ずかしそうに言う。
そうだよね、地元の人って
意外と知らないことって多いから、
でも、、もしかして、、、
「あのさ、これからママになるかもでしょ?
そうするとね、子供に
色々お話とかしてあげることになるよね。
韓国の昔話とか、、、
ほら全羅道の昔話としては
忠犬の話とか、うちの郡の話としては
真珠泥棒と間違われた学者の話とかあるじゃない」
というと、やっぱり
「わたし、実は韓国の昔話とか、、全然知らないんです
その忠犬の話も、真珠泥棒の話も
全然知りません、、、、」
という。
「ああ、そうなんだ。
それだったらこれから子供に教えてあげるつもりで
昔話とか読んだらいいよ
私も外国人だから
韓国のことを知ろうと思って
子供と一緒に、昔話読んで勉強したんだよ」
というと、
「子供の教育担当はオッパだから、、、」
どうも結婚前の相談で、
子供の教育は旦那に任せる
みたいな話になったそうだ。
ああ、そうなの?
じゃあ新郎に聞いてみようか?と
矛先を新郎に向けてみた。
子供が生まれたらどんなことしたいの?
「子供??普通に、、、自由に、、、
中学校くらいまでは放任で、、、」
と言う。
結婚したばっかで、幸せに呆けてる顔をして。
この二人が、この非婚時代に
結婚に踏み切れたのも、
この楽観があったからこそ!
そうそう、子供もできてないのに
そんなこと先に心配しても始まらない。
しかし!ホントに子育てすることになって
その考えで韓国を進んで行くと
色々大変だろう
一応、準備はした方が良いと思う。
現在、韓国がどんどん少子化に向ってる理由の一つ。
(数値では日本の少子化率を超えちゃったとか。)
子供は多くても二人!とか
一人だけにする!とか
いっそ生まない!と彼らが、選択してるのは、、
家庭の教育費用が
掛かりすぎるから!。
子供さんが二人の家庭で
「もう一人いたらいいですねえ」とか
うちの夫が言うと
「そんな、、、教育費のことを考えると、
とても無理です!」
というお答えが返ってくるのはいつものこと。
それで彼らに聞いてみた。
彼らの小学校中学校の頃の学校教育、
それと私塾に通う子供たちの割合は
どうだったかを。
私はそれを聞いて
「う~ん。現在の30代前半というのは
韓国の都市部では、私教育が相当普及してて
地方の特にその中でも田舎なんかだと
昔のまんまだったってことね、
あなたたちも英語は中学校からはじまった世代でしょ?」
そうだったらしい。
私は今、うちの子たちが
このど田舎であっても
結構な難しい教育を受けていることを
彼らに話した。
数学も英語も教えてなくても
どんどん要求するレベルだけが上がっていくから
当然ついていけない子が出てる。
もうそういう子は教室では、放置されるだけ。
先生方の生徒に対する踏み込みを期待するのは
いまや公教育には難しいこと。
最初から「塾にでも送ってやらせてくださいね」と
ばっさり切ってしまう先生もいること。
だから、今の韓国で子供たちが受けてる教育って
あなたたちが子供の時に受けた教育とも
かなり変わってしまってる。
だから、たとえ韓国人であっても
「もう一度学びなおすつもりで」
今の韓国の学校教育をしっかり直視したほうが
良いという話をした。
あなたたちが
「自由な子育て」を目指してて
子供の心から湧き上がってくる「自発力」を
育ててあげたいのは理解できる。
だけど今の韓国の教育では
子供に要求することがあまりにも多くて
それが相当難しくなってること。
だからあなたたち韓国人が、
小さい頃に韓国の教育が
こうだったから
きっと子供もそうだろうという考えのままで
育てると、ちょっと色々苦しいかもしれないよ。
私は外国から嫁に来たから
『韓国を学ぼう」という姿勢で
色々頭を突っ込んで、
そのおかげでいろいろなことが分かったのだけど
彼らは韓国人だから
いっそそれが見えなくなってるのかもしれない。
「オレの小さい頃は、、、」の類の話
うちの夫がちょくちょく言うことを
聞いてみると
あなたの小さいころの『韓国」って
それもう今の「韓国」と別モンじゃないの?
というか、もう1970年代の韓国と
21世紀の韓国は別の国だと思った方が
すんなり適応できるくらいに変化してるんじゃないの?
と思わされる話がゴロゴロでてくるのです。
まあ、そういう事例をいくつか挙げたのですが
高学歴の新郎は
私に言い返したりはしないものの
結構「鼻で笑ってる」感じがしました。
だ・か・ら!これなんだってば!
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過去の自分の成功体験にしがみついて
自分の子供にも
同じもの求めちゃうんだって。
特に高学歴の人にそれはありがち。
でも時代がめちゃくちゃ変化してるからね。
特に韓国。
私の話を聞いて
新婦さんのほうは、新郎に、
「わたしなんだかその話分かる気がする。
だって、キリスト教の教会学校で
小学校一年生の子供たちの勉強を教えてたとき
子供たちの勉強のレベルが
びっくりするくらいバラバラだったんだもん。
ひどい子は
鉛筆もつ力が手に入らないくらいよ。
あれじゃ字も書けない。
だけど私は教える立場として
どうしても「出来る子」にあわせて
クラスを引っ張っていかざるを得なかったの。
だから今の話聞いて、すごく納得した。」
新郎は
「だけど、、、やっぱり自発的に
自分がやる気にならないと
勉強なんて出来ないよ、、、
だから小さいときから
あれこれやらせるなんて
いくら韓国みんなそうだからって
自分は良いとは思えないけどなあ」
という。
新婦は
「オッパはそうかもしれないけど
もし私が母親になって
うちの子がクラスで
勉強についていけないってことになったら
私は、絶対落ち着いてのんびり子育てなんて出来ない!
無茶苦茶詰め込んで
無理やりやらせる必要はないと思うけど
でも、ホントに私も子供も余裕を持って
学校生活させたいんだったら
準備ってしたほうがいいんじゃないのかしら?」
いいぞ、いいぞ 嫁さん!
新郎の方はとにかくそういうことが
全然イメージできないんだと思う。
彼は「良く出来るいい子」でずっと来たから。
新婦のほうは、自分が子供に勉強教えた経験があるから
話したら、イメージが湧くんだろ。
とにかくそういう話を
二人でどんどん議題にあげてくださいませ!
二人の願う「教育」をもうちょっと
具体的に話してください。
彼女のおなかにある卵子ちゃんの中で
おめでたいタチのがいたら
「あら~ 生まれたあとのことに
関してパパとママが
関心をもって話し合ってくれてるわ
私って愛されてるのね」
と思って気を良くして、
進んで子宮に降りてくるかもしれません。
まあ、おめでたのニュースも聞いてないうちから
私の気が早いのかもしれませんが
私は『胎教」って効果的だと
思ってるので
そんな話もしました。
そうするとまた新郎が
「胎教?そんなの効果ないでしょ!」
とか、口を出す。
おめえ黙ってろ!
韓国には胎教の古典がある。
胎教新記という。
我が家にあるのは
現代韓国語訳版
おなかに子供が宿ったら
書堂に通って「論語」を学べと
言われてたなんて話も
大学の漢文科の先生に聞いたことがある。
こら新郎!あんた!
そんなに「胎教」を白い目でみることないじゃないの!
私が自分の妊娠中に
特に『胎教」に関心をもってたわけじゃないし
教育環境を整えねば!とか
準備しないと!なんて
子供が小さいときに
思ってたわけじゃない。
自分で『こりゃまずい!」と思ったとき、
大慌てでアタフタした。
だから結婚したばっかりの彼らの
考えを非難するなんて恥ずかしくて出来ない。
こんな時代に
結婚しただけでもえらいよ。二人とも
結婚ってめんどくさいことがいーっぱい付随するのに。
でも、親が準備したものじゃなくても
まわりの人が揃えてくれたり
送ってくれたものが
結果的に子供の教育に
プラスになってたということは
あるはず。
うちの子の場合
ほんとにありがたかったのは
私の日本の友人が、
出産後からずっと送ってくれた
松谷みよこさんの絵本の数々
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娘は小さい頃
こういう絵本を
何度も何度も手にとってみていました。
うちの娘は今でも
語学の勉強は、全然嫌がりません。
何時間やってもオッケーなんですと。
進学に必要なくらいの
語学の級はとるからと、自分で言ってます。
絵本を贈り続けてくれた友人は
大学時代の友達です。
彼女は今でも独身なんですけど、
うちの娘が中国語の大会で賞を取ったとき
親より激しく喜んだのは、なぜかその友達でした。
だから私もこの新婚夫婦に
赤ちゃんができた時、
お祝いは、「お金」じゃなくて
きっと「本」にすると思います。
お祝いって「お金」だと
すぐに使っちゃうけど
本は家に置いておけるから。
だから別に彼らが、
イキナリ教育熱心にならなくても良い。
それこそ「自分がしたいと思ったときに」
自然にどうぞ。
私が彼らの子供の心配の先取りをすることはない。
自分の子供の心配でもしとけっつーの!
でも、私たち夫婦は
一応、日本語で言えば『仲人」だからさ。
いろいろ口出ししたくなるのです。
ごめんね。
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