コチャンコインドルマラソンのため
日本からいらしていた日本人ランナーさんたちが
火曜には半分帰国し、4人の男性が残った。
最後の晩、私は辰巳さんにお会いした。
地方新聞に載せる原稿のチェックを入れていただくためだ。
そちらさまの都合の良い時間はいつですか?とお伺いを立て
夕食の前ならということで、お邪魔した。
原稿チェックする辰巳さん
味のある字でどんどん書き込みが入ります。
辰巳さんが原稿をチェックしている間に
ほかのメンバーの方たちと話す。
こちらは「東京夢舞いマラソン」
実行委員会の理事長
こちらは
左側が「しんちゃん」で
右の方は退職した校長先生。
今回のフルマラソン 「しんちゃん」は5時間足らずでゴール
校長先生は4時間台でゴールしたそうだ。
辰巳さん以外にも面白い経歴をもつ方々が
参加していたということが、話してみてわかった。
上記の理事長さまは
軍事政権下の韓国を取材して一冊の本にしたこともある
現役ジャーナリストだった。
朴政権下の光州を取材なさったという。
(ちょっと古い本なので画像は載ってないようで)
市民マラソンの輝き―ストリートパーティーに花を!/大島 幸夫
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これは現在力をいれてらっしゃるマラソンのことを書かれたようだ。
これ以外にも、著書が7.8冊検索に引っかかる作家さん
ドキュメンタリーものの著書が目に付く。
後で調べたら教育関係書も出版なさってた。 映画論もある。
この大島さんと、退職した校長先生が
私の話す「白村江の戦い」に非常に興味をもたれて
「ちょっと説明してみて」とおっしゃるので
簡単に「白村江の戦い」の前後関係を説明させていただいた。
「しんちゃん」は旅行会社の社長さんで
こんなツアーを企画している。
「世界の奥地を巡る」マラソンツアーだそうだ。
この「しんちゃん」は、これまたすごいぞ。
こんな人たちが集まってるクラブって、、、
「 しんちゃんと地球の奥地を走るランニングクラブ」と書いてある
海外マラソン65回参加、ホノルルマラソン24回目だそうで、、、
このマラソン世界の奥地ツアーについて、おたずねした。
「あれでしょうか?
海外マラソンにご自分で行かれる方であったとしても
やはりここまでの奥地になると、パッケージツアーで行かれるほうが
気が楽ということで、みなさん申し込んでいらっしゃるんでしょうか?」
「しんちゃん」はわかってないなあ という顔をして
「違います。 今回もそうですけど、
奥地だってみんな一人でいけるような人ばっかりなんです。
そうじゃなくてしんちゃんと行くからこそ!
楽しくて他では味わえないツアーなんです!!」
とおっしゃる。
大変失礼しました。
私は今後この「しんちゃん」と今後、連絡を取って
韓国の奥地
「全羅北道日本人誰も知らないコース」を開発しようという約束をした。
辰巳さんが記事をチェックしている間
こっちはこっちで楽しく盛り上がり
校長先生とは韓国と日本の教育の対比で話が尽きない。
もちろんジャーナリストの大島さんもそういう話題には興味深深の様子。
話に花が咲き、 こんなんじゃまだ序の口、ああ別れ難いわと思っていたら
韓国側の主催者のチェさんが
気を利かせてくれて、
「もう今日は、通訳も呼んでませんし、
よかったらえみこさんも一緒に食べていってください」 と
おっしゃる。
話もまだまだ続きそうだ。
またまたお言葉に甘えて、ご相伴になった。
ああ!またやっちゃった。 確か先週もそんなことをしたような気が。
家では旦那がおいしい食事の用意をして待っているというのに。 ごめんね。
お店で頂いたのは
冬虫夏草というきのこ類をベースにしただしで味わう
しいたけ類盛りだくさんのしゃぶしゃぶ料理だった。
たいへんおいしゅうございました、(えみこ拝)
その写真を撮っておけばよかったのだけど
あまりに話に夢中になってしまい
しかも韓日の通訳で私の舌はずっと動いている。
くいしんぼの私は自分が食べるのにも忙しい。
結局、写真を撮らねば!と気づいたときには
すでにこうなっていました、、、 あれあれ
この空き皿の多さで
どれだけ豪勢な料理だったかが想像できるんじゃないでしょうか?
その会食の席上で大変興味深い話が出たので
別記事でアップします。 今日もお仕事にいってきまーす
辰巳さんに記事を頂くために、
ご一行に引っ付いてご相伴に預かった食事の席で
大変興味深い話を聞きました。
私の目の前には、韓国人のお坊さんが座っていらっしゃいました。
コチャンの郊外にある蓮華寺というお寺のお坊さんなのです.
12年前にソウルからこの町に引っ越して来られた方で
この方は何度も日本に行かれたことがあります。
広島の原爆被害者の慰霊などにも行かれていたそうです。
二万人の韓国人被害者の慰霊碑があるということで。
そういう公的な日本経験もありながら
「自分の目で見なくっちゃ!とにかく先入観はイカン!
いつでも客観的な立場と視点でものを考えているか??」
ということを自問しているので、
御自分で列車に乗って日本中、あちこち見て周り
真夜中の東京の街も歩いてみるなどの
「生の日本」経験をたくさん積んでこられたそうです。
先入観と現実ってかなりのずれがあるのが
良く分かるとおっしゃいました。
笑っちゃったのが
「よく言うでしょう、
日本人は列車の中で、みんな新聞か本を読んでるって。
韓国人はそれに比べて読んでない。韓国人反省しないとみたいな話。
あれね、最近はそうでもないですよ。 私は新幹線にのって北の方もずっと
旅行したし、都内の地下鉄も自分で切符買って乗り継いで動くけど
最近の日本人、列車の中で活字読んでる人なんてほとんど見たことないです。」
どうも最近そのようだと別の方からも聞いた。
うちの郡に日本人のお客さんが来た時、
現在はこの街に住んでいる日本人が通訳に出て行くのですが(私ではありません)
以前は日本語のできる韓国人職員にやらせていたそうです。
ところがこのお坊さんがその通訳の様子をみていると
言葉だけは間違いなく日本人に伝わっているらしい。
でも受け取る側の日本人の表情を観察してみると
こちらの言いたい細かいニュアンスまでは届いてないようだと判断したそうで
こりゃ通訳を韓国人にやらせちゃだめだと思ったそうです。
「日本との通訳に韓国人じゃなくて、日本人を使いなさい」と
郡のトップに進言したのはこのお坊さんだったそうです。
まあ、そういう楽しい賢いお坊さんが目の前にいたので
楽しいためになる話がどんどん出てきたのですね。
出張仏教説話!
仏教の話ではないのですが、お坊さんが
こんな話をなさいました。
「銭湯の女湯で火事が起こったとするよ。
日本の女性はどこ隠す?
胸とかその下とか、体隠すよね。
でもね、韓国の女性はどこ隠すと思う?
韓国の女性はまず「顔」を隠すんですよ。
体が問題じゃない。 自尊心が一番の問題なんですよ
だから顔を隠すんだよ。」
という話が出て、日本人男性を唸らせました。
その場に唯一参席していた40代の韓国女性のチェさんに
「その場にいたらどこ隠しますか?」と質問の矢が飛んだ。
チェさんは赤くなって
「絶対出て行きません。その場で死にます!」と言ったもんだから
「こりゃすごい。顔を隠す以上の自尊心だ!」と
やいやいと盛り上がりました。
先進的に見えるチェさんがそういう返事をしたのが、
私には意外でビックリしました。
私は「そーですかあ??今の若い韓国人女性がそこまでして自尊心守ろうと
なんて思ってない気がしますけどねえ、(懐疑的、、)
この街で40代女性、ソウルならせいぜい50代の女性くらいまで。
それ以下の年齢では体隠すんじゃないでしょうかねえ」 と
口を挟んだところ
「わしも若い世代まで、そうだとは思ってないよ。
西洋文化がどどっと入ってきて、昔は日本経由だったけど
最近では韓国にダイレクトに入ってくるから、
韓国人の西洋化はもう日本人以上になってる部分もあるからね」
と懐の広いおこたえ。
しかしお坊さんが
「日本人の女性は性に関して開放的だから、、、」
みたいなこともおっしゃるので
「日本人女性が性に開放的ってのは、私は一概に賛同しかねます」と
口を挟んだところ
「えみこさん、あんた生まれは日本かも知れないけど
私の見たところ、もう日本人じゃないから、
あんたが『日本人として』って言うのはちょっと難しいねえ はっはっは」
と笑う。
はい、そのとおりでございます。 私はもう日本人´(ダッシュ)
日本人の大島さんが、上記の話を受けて
こんな話をしてくださった
昭和初期に日本のデパートで火災があった。
その当時のデパートガールというのは着物を着て働いていたので
着物の下は「おこし」くらいで、当然下着がない。
ハシゴ車が救援にやって来て、
そのハシゴ車を伝って逃げれば、助かった女性はいるのに
着物の裾が翻って下から見えるんじゃないかという羞恥心で
救援を拒否して志望したり裾に気をとられてハシゴ車から
転落したりということがあったそうだ。
この事件は日本女性の「洋装化」に拍車をかけることになったという。
これが大島さんの説明だった。
あとでネット検索してみると
あったあった! 「白木屋デパートの火事」だそうだ。
大島さんもこのデパートの名前を口にされてた。
白木屋デパート火事騒動
白木屋デパート (現在のコレド日本橋 )で火災 が発生 し、
転落死 しました。
この火事 をきっかけ に、洋装 やズロース が奨励 されるようになったのです。
日本女性にも命よりも大事な守るべきものがあったって話だけど
昭和初期か、、、1932年というと、今から約80年前だな。
「あられもない姿を人目に晒すくらいなら死を選びます!」
とはっきり言える日本女性は今どれくらいいるんだろうか???
そして、「自尊心」がらみの話はまだつづく。
辰巳さんがご自身のプライベートなことについて話の流れで
少し洩らされた。
それは韓国人にとってはあまり自分から口にしない種類の話だった。
辰巳さんの斜め向かいに座っていた韓国人男性が呟いた。
「韓国人って自分の自尊心が傷つくようなことは
絶対自分から口にしないもんなんですけどね、、、、
こういうことを自分から口にする姿を見て、考えさせられますね、、、
自分もこういう風になったほうがいいんじゃないかって、、、」
辰巳さんはなんでもないという顔をして、韓国語でけろっとこう言った
「わたし自尊心ないですから!」
この言葉を聞いて辰巳さんの斜め向かいの彼は
どれだけショックを受けただろう。
韓国人の行動の指針のひとつは
「いかに自尊心を守るか、高めるか」である。
そんな大事な「自尊心」さまを
「ないですから」の一言で簡単にかたづけるなんて!!
辰巳さんとしては
「私はあまりそういうことにこだわってません」
くらいの意味じゃないかと私は想像するが。
辰巳さんはコチャンのマラソンクラブのメンバーに大人気で
「とても良い人間だ」とみなさんに認められている。
韓国人メンバーが辰巳さんを見る目がとても温かく好意に満ちている。
そんな人が「自尊心ないですから」発言だ!
韓国人のアイデンティティ大揺れ・大地震である!!
これだよなあ。こういうのがいいんだと思う。
韓国人は日本に対してこうじゃないか、ああじゃないかって
思いが強くて、その枠の中で判断しようとするけど
こうして「生の日本人」とぶつかってみて
「あれー!思ってたのと全然違うんだけどどうしよー」と
いう答えがでたり、目にしたりするから
思考回路がストップして愕然としたりするんだろう。
自分の頭では理解できない範疇で解がでたりするから。
その逆もあった。
ある日本人メンバーの方が
「韓国人って解放的なんだと思ってたんですけど。
こうやって深く話してみると
かなり保守的な感じがするのにびっくりしました」と
おっしゃる。
韓国人が守るべきガイドラインというのは、はっきり存在する。
韓国人として大きくなるうちに、しっかり身にしみ込んで行く。
それ以外のところは、結構アバウトに「ケンチャナヨ」になるんだけど。
そういう部分を見て、おそらく日本人は韓国人を解放的だとみるんだろう。
そのことに関しては
この本に実に的確に書かれていると思う。
一口に仏教といっても、
日本における仏教の捉えかたと、
韓国のそれは微妙に違うのだという話も
簡単にさせてもらった。
しかもここはキリスト教信者のやけに多い国である。
日本とはかなり違う。
そんなこんなで話に花が咲き、
大変意義深い席になりました。
これこそ日韓交流!の醍醐味。
私は辰巳さんに
「来年はコチャンの小学校か中学校で、
子供たちに講義をするつもりでおいでください。」
とお願いした。
辰巳さんの海外経験の豊富さにしても
東京マラソンを実現させるため具体的な活動を起こしてきたことにしても
これは田舎の子供たちに「常識外の大人を見せる」という意味で
立派な教育効果があるのではないかと思ったからだ。
しかも辰巳さん韓国語しゃべれるじゃないですか。
マラソンだけに、来てもらうのは、もったいない。
だいたい「マラソンしながら写真撮ってるカメラマン」なんて
辰巳さんしかいないというんですから。
お坊さんも 「そりゃあいい! やったらいい」と乗り気である。
辰巳さんは「考えておきます、、、」
日本から来たランナー一行は
水曜日の飛行機に乗って帰っていかれた。
また、必ずお会いしましょうねー!!と 挨拶してお別れした。
最後に
「マラソンしませんか? 」とのお誘いを頂いたのだけど
果たして私にそんなこと出来るんだろうか???
辰巳さんの記事をまとめて
写真と併せて新聞社に送り、ほっと一息。
今週号はもう無理だな。一日校了に遅れちゃった。
新聞になるのは多分来週。
本当は韓国側のマラソンクラブの記事も
併せて取材して載せたほうがいいんだけど
だめだ。もう今週は元気が残ってない。
電話で事実確認しか出来なかった。
明日は旦那の仕事スタッフとして一日動くし。
私は全くマラソンというものを知らなかったのだけど
「辰巳さん」という方にお会いする前の下調べを通して、
一気に勉強させてもらった。
こんな世界があるのだな!! いやー すごいぞ。
辰巳郁雄さん、しんちゃん、大島さん、 校長先生
他の方々も誠にありがとうございました。
日本でゆっくり旅のつかれを癒してください、、と言いたいところだが
「しんちゃん」、来週は上海マラソンだといってたような、、、
(えみこ)
追伸:もしこの記事にレスをくれる元気のある方は、
「女湯が火事になったら、自分はどこを隠すか?」を教えてください。
ちなみに私は、どこも隠さず「生きる」道を探すことに専念するつもりです!
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